沖電気工業は23日、 UV(紫外線)量に比例したアナログ電圧を出力できるUVセンサIC「ML8511」を発表した。携帯型UV測定器のほか、モバイル機器や家電などでの利用を見込んでおり、6月からサンプル出荷を開始する。

本センサは、ノイズが少なく高集積化が容易に行えるSOI(Silicon on Insulator)-CMOS技術を用いている。そのため、従来は外付け部品として用意する必要のあったOPアンプを内蔵しており、アナログ電圧を直接出力できる。例えばマイコンと組み合わせて使用する際に、本センサのアナログ電圧出力部をマイコン内蔵のA-Dコンバータに直接接続できる。そのほか、可視光カットフィルタが不要という特徴がある。

同社によると、従来のUVセンサICは、窒化ガリウムなどの化合物半導体を用いていたため、同一チップ上に周辺回路を搭載することが難しかった。またシリコンを用いたUVセンサICの場合は広範囲の光に感応するため、可視光カットフィルタを別途に用意する必要があったという。

本センサの最大感度波長は365nmで電源電圧は2.7~3.6V。3Vで動作させた場合の消費電流は動作時が300μA(typ.)、スタンバイ時は0.1μA。出力電圧は1.0~2.2V、動作温度範囲は0~70℃である。パッケージは12ピンのQFN(外形寸法4.0×3.0×0.7mm)。サンプル価格は300円。本年12月より量産出荷を開始する。

同社では今後、SOI-CMOS技術を用いたUVセンサICのラインナップとして、周囲の明るさに応じて電流の出力を変化させることができるアンビエントライトセンサやデジタル出力回路を内蔵した製品を開発する予定だという。