NTTドコモとKDDI(au)の携帯電話を利用して国民健康保険料の支払いを可能にする新しいサービスを、東京都江東区が国内で初めて、モニター事業として開始する。「おサイフケータイ」のEdyやモバイルSuicaを使って保険料を支払えるほか、携帯電話料金と合算して支払いを行うことも可能だ。

今回の収納方法は、保険料の収納率が低下する中、厚生労働省が収納率向上を狙って検討してきた新しい収納方法の一環として試験的に導入されるもの。国保の保険料は特に都市部での収納率低迷が続き、厚労省は収納を強化していく方針を示しているが、今回のモデル事業では、単に支払いを促すだけでなく、支払いやすい収納方法を提供することで、収納率の向上を図っていきたい考えだ。今回は、モニター事業の対象として江東区が選ばれ、最初の事例として導入が決定したという。

支払い方法は、携帯電話料金に上乗せ/おサイフケータイのEdy/同モバイルSuicaの3種類から選択できる。携帯電話料金への上乗せ方式では、ドコモとauの協力を仰ぐ形で実施。一部機種をのぞき、既存の多くの端末ユーザーが利用できる。国民健康保険は、現在は口座振替かコンビニエンスストア、または訪問での収納を行っているが、携帯電話料金と合算すれば、新たな口座振替の手続きが不要で、コンビニまで支払いに行く必要もない。またクレジットカードでの支払いにも対応することになる。

おサイフケータイのユーザーであれば、電子マネーのEdyとモバイルSuicaを使った収納も可能になる。メールで通知された指定のサイトに接続して、暗証番号を入力することでEdyやモバイルSuicaを使って電子マネーで保険料を収納できる。ネット決済に対応するため、おサイフケータイの読み取り機は不要で、いつでもどこでも支払いを行える点が特徴だ。

システムは国民健康保険中央会が開発元となり、携帯電話向けのアプリ開発などを行う。電子マネーのネット決済では収納代行業者を利用する方針だが、現時点ではシステムは完成していないため、詳細は未定だという。

区では、今回のモデル事業のために20人程度のモニターを募集。今年6月期の保険料からの支払いに対応、来年3月期まで事業を行う予定。ただ、まだ現時点では開始時期や終了時期は変動する可能性もあるということだ。募集期間は5月10日まで。申込書は区のWebサイトからダウンロードして印刷できる。