米SearchIgniteおよび米RBC Capital Marketsは、2007年第1四半期(1~3月期)における米検索広告市場の最新レポート「Yahoo Panama and the Broader Search Landscape: A Q1 2007 Competitive Review」を発表した。

同レポートは、2006年1月からスタートした、Yahoo!、Google、MSN上に表示される検索広告に関する一連の測定データに基づくとされ、140億を超えるインプレッション、1億4,400万以上のクリック件数を対象にした調査データの分析が行われているという。

調査結果によれば、3社の検索エンジンで比較した有料検索広告シェアでは、Yahoo!が2006年第1四半期に約46%のシェアを占め、同市場をGoogleとほぼ二分していたにもかかわらず、同年第4四半期(10~12月期)には約19.6%まで急落。Googleに大きく差を開けられていた。しかし、今年2月に新検索広告プラットフォーム「Panama」導入後、ついにシェア拡大へと転じたとされている。今年1月に約17.9%まで低下していたYahoo!のシェアは、2月には反転して約19.3%まで回復したようだ。

特にPanama導入後、新たに採用された広告のクオリティを評価する指数「Quality Index」を加味するランキング方式によって、1クリック当たりの広告コストが37%低下した点は、広告主への大きなメリットとされている。キーワードへの入札額のみで決定されていた従来のランキング方式よりも、クリック率の上昇効果が明らかになった。

Yahoo!、Google、MSNで比較した有料検索広告シェア

しかしながら、Panama導入後もGoogleの勢いに陰りが見えたわけではない。例えば、広告インプレッション1,000回ベースの収益率を示すGoogleのeCPMは、例年2~3月には季節的に大きく落ち込む傾向があるにもかかわらず、今年は4.6%減にとどまるなど、順調な成長力を維持しているとの分析も出されている。