Apache Velocityプロジェクトは9日(米国時間)、「Velocity DocBook Framework 1.0」を公開した。Velocity DocBook Frameworkは、DocBookフォーマットに対応したフレームワーク。Webページと印刷用デジタルメディアの双方でDocBookフォーマットによる高品質なドキュメントを生成することができる。

Velocity DocBook Frameworkはもともと、Apache Velocityプロジェクトで使うドキュメントを生成するためのフレームワークとして開発されたものだが、最終的にはVelocityプロダクトへの依存を避け、汎用的に活用できるフレームワークへと形を変えた。フレームワークはJavaで開発されており、内部でApache Antなどを使用している。

ドキュメンテーションフォーマットとして汎用性の高いDocBookは、さまざまなプロジェクトで採用されることが多い。Apache Velocityプロジェクトでも従来型のフォーマットからDocBook対応フォーマットへの移行を検討することになったが、同プロジェクトに適した汎用的なツールが見当たらず、また既存のツールを組み合わせると繁雑になってしまうことから、フルスクラッチの開発に着手したという。

Velocity DocBook Framework 1.0の実行環境には、JDK 5.0/Apache Ant 1.6以降を使うように薦められている。また、Apache Software Foundationの他のプロダクトと同様、Apache License Version 2.0ライセンスのもと、オープンソースソフトウェアとして公開されている。

Velocity DocBook Frameworkの真価は、Javaで開発されているため、マルチプラットフォームで動作するという点だ。Web上を見回すと、DocBookに対応したツール/アプリケーションがすでにいくつか存在するが、マルチプラットフォームに対応するものはほとんど見当たらない。同プロジェクトの今後に注目したい。