公開初日を迎えたVシネクスト『仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング』の舞台挨拶が2024年3月8日、東京・新宿バルト9で催され、坂本浩一監督と主要キャストが登壇。2023年8月に最終回を迎えたテレビシリーズ『仮面ライダーギーツ』の後日談となる本作がついに劇場公開された喜びや、作品の見どころについて、大いに「笑い」を交えながら賑やかに語りあった。

  • 左から並木彩華、後藤大、杢代和人、簡秀吉、佐藤瑠雅、北村諒、坂本浩一監督

■『仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング』公開初日舞台挨拶にキャスト登場

『仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング』は、『仮面ライダーギーツ』最終回の「その後」を描いた物語。世界を脅かす「変異種ジャマト」の猛威に立ち向かうべく、仮面ライダーたちがふたたび戦いの道を歩む。そんな中、現在の仮面ライダーギーツ/浮世英寿とは異なる、白い髪のエースが出現。彼は金色のギーツというべき仮面ライダードゥームズギーツへと変身し、仮面ライダーたちを襲撃する。そして、再度現れたベロバによって体内に残るジャマトの力を引き出された吾妻道長は、仮面ライダーバッファ プロージョンレイジに変身し、世界を揺るがす巨大な危機に立ち向かう……。

劇場につめかけた『仮面ライダーギーツ』ファンが熱い視線を送る中、仮面ライダーギーツ/浮世英寿を演じる簡秀吉、仮面ライダーバッファ/吾妻道長を演じる杢代和人、仮面ライダータイクーン/桜井景和役の佐藤瑠雅、かつて仮面ライダーナッジスパロウとしてデザイアグランプリに参加し、現在は人類とジャマトの共生を目指すジャマト学者になっている五十鈴大智を演じる後藤大、ジャマトのスポンサーを務めていた未来人ベロバ役の並木彩華、デザイアグランプリのプロデューサー・ニラム役の北村諒、そして本作のメガホンを取った坂本浩一監督がステージに現れた。

MC(佐藤香織)から、公開初日を迎えた現在の心境について聞かれた杢代は「とても嬉しい。『仮面ライダーギーツ』の集大成をみなさんにお届けできる日がやっと来たという思い。今日という日を記念日にしたい」と目を輝かせながら挨拶。すかさず後藤が「何記念日と名付けますか?」と質問すると、杢代は「バッファ活躍しちゃった記念日?」とはにかみながら返答。すると後藤から「かわいい!」とナイスなリアクションが飛び出した。

簡もまた杢代と気持ちは同じだったようで「撮影していたのは昨年の夏ごろで、ようやく公開日を迎えられた。ほっとすると同時に寂しい気持ちもあります。僕も今日を記念日にしたい。ギーツ活躍しちゃった記念日!」と、杢代を意識してコメントし、杢代から思いっきりツッコまれた。さらには突然「あっ、今日はお父さんの誕生日だった!」と父親の誕生日がこの日(3月8日)だったことを思い出し、そのあまりにも自由なトークに会場全体が爆笑に包まれた。

撮影にあたって一番大事にしていたことは? というMCからの質問が飛ぶと、なぜか佐藤が緊張し始め、足をプルプルと震わせる謎アクションを披露。これを見た後藤が「生まれたての小鹿を呼んだの、誰!?」と絶妙なコメントを挟む場面が見られた。そして、まず北村がマイクを持って口火を切ってくれるのかと思いきや「これから簡くんが言ってくれます!」と、まさかの簡への「丸投げ」発言。突然話を振られた簡は戸惑いながらも「みなさんで素晴らしい作品を作りたいという気持ちが強かった。キャスト、スタッフと切磋琢磨して作り上げることができました。ちょっと上からっぽいんですけど、アクションチームのみなさんがとても頑張っていらっしゃったので、アクションシーンをぜひ観てほしい。僕は撮影の合間に、バッファのスーツアクターをされている縄田雄哉さんとお話をしていて、すごく楽しく、幸せな空間でした!」と、晴れやかな笑顔で撮影時の楽しい思い出と心がまえを語った。

■挿入歌「CREATORs」の話題で簡が杢代に無茶ブリ

続いて、挿入歌「CREATORs」を歌ったのが英寿・景和・祢音・道長・ツムリのユニット=PRAYERsであることにちなみ、レコーディング時の裏話を明かすコーナーへと突入。歌唱は全員揃ってではなく、1人ずつ別々に収録したそうで、簡は「レコーディングルームはシーンとしていて、不思議な空間でした」と素直な感想を語った後「みんな歌がお上手なので、ついていかなくちゃ、と頑張って臨みました。ラップもあったりして」と、それぞれのパートを全力でこなしたことを打ち明けた。杢代は簡の言葉を受け「今日からフルサイズ版が配信開始されましたので、みなさんぜひ聴いてください」とアピールすると、簡がいきなり「台本に、杢代さんぜひラップを披露して、と書いてあるよ」と無茶ブリを敢行。杢代は「ウソでしょ。ウソついたでしょあなた!」と困惑しながらも、なんとか「CREATORs」のラップパートを再現しようと頑張ってみたが、その試みは残念な結果に終わった。あわてた杢代は「グループ業もやっていて、今いっぱい曲を覚えないといけないから!」と弁解しつつ「ぜひ配信で聴いてください!」とファンに向かって念を押していた。

佐藤は「僕のパートを収録した後、(星乃)夢奈ちゃんがブースへ入ってきたので、ガラス越しにじーっと見ていたんです。そうしたら夢奈ちゃんが『見ないで~! 瑠雅くんが聴いていると、歌えなくなる!!』と言われました」と、仮面ライダーナーゴ/鞍馬祢音役・星乃夢奈のかわいいモノマネを交えながら、にぎやかなレコーディング現場だったと回想した。

「CREATORs」の印象を問われた坂本監督は「曲を発注するとき、アクションシーンに使いたいと要望を出しました。劇中のとてもいいところに流れますので、楽しみにしていてください」と、アクションを彩るカッコいい楽曲が出来たことに満足そうな笑顔を浮かべてコメントした。

また、倖田來未による本作の主題歌「Dangerously」についても、佐藤は「やっぱり『ギーツ』は倖田來未さんでシメないと」と語り、エンディングにふさわしい歌であることを改めて強調。北村も「テレビシリーズの主題歌『Trust・Last』とは空気感が違う、今回の作品にふさわしいと、聴いていて思いました」と、しみじみ感想を述べた。並木は「めちゃくちゃカッコいい曲。夜0時の配信開始と共に、すぐ聴きました。学校の課題をやりながら(笑)」と楽曲に惚れこんでいたことを明かすと、周りから次々に「寝て!」と思いやりに満ちた言葉が飛び出した。

■『仮面ライダーギーツ』続編が作られるなら?

本作は『仮面ライダーギーツ』のラスト・エピソードとなっているが、反響次第でさらなる「続編」が生まれないとも限らない。もしも続編があるなら……というトークテーマについて杢代は「そりゃあ、次は僕の単独主演で、新しいバッファの強化フォームを出してほしい! みんな、強化フォームが何形態もある中で、バッファだけなかったから、今こそ並ばないと!」と、バッファ主演の映画を作ってほしいことをアピールした。

北村は「僕も主演をやりたい! ……あれ? 主演といえば、こんどTTFCでニラムが主演の『仮面ライダーゲイザー』という作品が配信されますね(笑)」と、自身の主演作が4月7日にTTFC(東映特撮ファンクラブ)で配信開始されるというPRを、さりげない形で行い、杢代や後藤を感心させた。佐藤は「祢音ちゃんと景和の恋の物語を!」とリクエストするも、杢代から「それはないでしょ!」とダメ出しをされた。そして坂本監督からは「TTFCで『仮面ライダータイクーンmeets仮面ライダーシノビ』をやったでしょ」と、すでに主演作品があったことのさりげない指摘があり、苦笑いを浮かべていた。

後藤は「じゃあ、次の主役を五十鈴大智が狙おうか」と続編での主演を希望。杢代から「次は何になりたいの」と聞かれ「クイズ王から始まって、ファーマーやって、サイエンティストをやりましたから、次はぜひ、眼鏡を買いにいく五十鈴大智でお願いします。そろそろメガネの度が変わってきたかなと(笑)」と、頭脳派メガネキャラを大プッシュしながら夢を大いに語った。

並木は「悪役(ベロバ)を1年間やってきましたから、今度はヒーローを演じたい!」と悪から正義への転身を希望すると、坂本監督が即時に「じゃあ、やりましょう!」と笑顔でベロバスピンオフに意欲を示す場面が見られた。坂本監督は続けて「『仮面ライダーギーツ』という作品はキャラクターがみなそれぞれ魅力的なので、全キャラクターのスピンオフ作品を作って、コンプリートを目指したい」と、壮大な『ギーツ』スピンオフ構想を明かした。

映画の見どころについて、並木は「人間とジャマトの関係を通じ、どうしたらみんなが幸せになれるかを考えさせられる作品。自身の生活とリンクさせながら観ると、より深く楽しめます」と、シリアスで問題意識の強いストーリーを大プッシュ。後藤は「テーマは『共生』です。これからの時代、大切になってくるワードだと思いますので、そこをポイントとしてご覧いただきたい」と、今日的なテーマを抱えていることを見どころとした。杢代は「出演者それぞれ、1年間テレビシリーズをやってきた成長が本作に表れている」と、キャスト陣の成長が顕著に見られる作品だとアピール。佐藤は「坂本監督が『ギーツ』の最後のエピソードに携わってくださり、嬉しく思います。たくさんの方々に愛された、誇らしい作品ができました」と、ハードなアクションに挑戦させてくれた坂本監督への感謝と、良質の作品が完成した喜びを示した。

最後にマイクを握った杢代は「道長という役は僕だけが作ったのではなく、観てくださるみなさんと一緒に作り上げたものだと思っています。キャラクター1人1人の成長が詰まっている作品ですので『ギーツ』を愛してくれたみなさんに観てほしいですし、みんなで盛り上げられたらいいなと思います」と、『仮面ライダーギーツ』という作品を愛するすべての人に喜んでもらえる作品になったと語って笑顔を見せた。続けてのコメントで、上映前というタイミングなのにも関わらず映画の展開をつい明かしてしまった簡だが、慌てながらも「何度でも映画を楽しんでください。本日は、ありがとうございました!」と、『ギーツ』キャスト陣がそろってファンの前に姿を見せる「最後」の機会であることを噛みしめつつ、万感の思いで挨拶した。

Vシネクスト『仮面ライダーギーツ ジャマト・アウェイキング』は2024年3月8日より、全国劇場にて期間限定上映中。7月24日にはBlu-ray&DVDが東映ビデオより発売される。

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