9月7日深夜、約3年ぶりに日本で見られる皆既月食

9月7月の26時30分(8日の2時30分)から、日本全国で皆既月食が見られます。2022年11月8日以来、約3年ぶりでございます。今回は、この月食の観察方法をサクっとご紹介します。皆既月食が次に日本で見られるのは2026年3月3日のひな祭りの日ですが、その先はえーっと3年とんで2029年1月1日です。ブラッド・ムーンといわれる独特の「赤黒い満月」が見られる貴重な機会でございますよー。

皆既月食。それは数年に1度しか見られないレアな現象です。まばゆく輝く満月がみるみる欠けて、完全に欠けても赤黒く見える! その間およそ1時間。みるみる変化するダイナミックレンジも魅力でございます。さらに、その観察には道具もいらず、かつ安全。都会でも田舎でもどこでも見られるのです。さらに、手軽に写真にも映せるのでございますー。動画をとるのもいいですよー。月明かりに照らされた景色が暗く沈み、復活するのも見ものです。

  • 月食の経過

あ、この連載の第135回で書いたコピペですな。でも、はい、これ不変の真実なのでございます。ついでにいうと、第220回ほか、何回か月食について書いていますが、見方、楽しみ方、その価値など、不変でございます。ああ、第47回で紹介したタジキスタンでの月食動画なんかすばらしいですな。

ということで、前のやつを踏襲して書きまするよ。

2025年9月8日の月食、観察の3ポイント

  1. 月を見るだけの、カンタンな観察です。
  2. 時刻のチェック ブラッド・ムーンが見られる皆既月食は2時30分~3時53分、少しでも月が欠けている月食は1時27分~4時57分です。
  3. 写真を撮ると楽しい。スマホでもタイムラプス撮影で楽しんではいかが。

1. 月を見るだけの、カンタンな観察です。

まず、月食の観察は、欠けていく満月を見るだけのカンタンなものです。道具はいらないし、特別な準備も必要ありません。なにしろ月を見るだけですから。

ただし、今回は、日曜の深夜なので、月曜日のもろもろに備えて仮眠をとっておくとか、そういう体調管理が大切かもわかりませんね。え? 月曜日休みにしちゃえば? それも手ではあります。

方向は、南西です。南南西の中程の高さ→西南西の低空になっていきます。まあ、そっちの方がある程度ひらけていればよいですが、あまり心配しなくても大丈夫でしょう。

2. 時刻のチェック 頑張れる人は深夜1時27分から、その5分前くらいからの観察が吉。

皆既月食の赤い月だけなら、3時前後です。一番眠い時間ですな。

月食の時刻は、世界共通です。その時間が夜で月が見える人が同じ瞬間に月食を見るのです。ちなみに、今回はヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニアの人が同時に見ます(エリアはTime and Dateサイトがわかりやすい)。南北アメリカはハワイもふくめ、ほぼ見られません。

3.プラスαとしては撮影です。

  • 双眼鏡で見たり、写真撮影がおすすめ。連載の第122回をご参照あれ。
  • タイムラプス撮影もよいです。カメラについて覚えがあれば、露出や感度を固定にして、南西の空を広角で5分間とか10分間ごとにシャッターを切ると面白いでしょう。
  • 撮影ガチ勢向けには、ニコンさんが圧巻のガイドを作っていますよ。
  • 9月7日~9月8日の月の変化

かんたんにシミュレーションしてみました。これ、全部撮影するには、対角魚眼レンズという特殊なものが必要ですが、半分、いや2~4時ならスマホの広角で大丈夫ですな。ぜひお試し下さいませ。

では、晴れることを祈って。あと、夜更かしになるので体調管理や安全はくれぐれもお気を付けて。