AMD CPU - リテール市場へのBristol Ridge投入が遅れている2つの理由

Photo17:無駄に机を占有するチャシー先生。まめっちより占有面積が大きめ。邪魔

既報の通り、AMDは2016年12月の発表会でZenベースの製品がRIZENとして投入される事を明らかにしている。これまで"Summit Ridge"というコード名で開発されていたこの製品は、本来だと2016年末までに製品発表の予定だったが、間に合わなかったようだ。まぁ1四半期程度の遅れは、これまでの同社の流れからすれば順当なところと見なして良いだろう。

問題は、2016年中にこれ以外の動きがほとんどなかったことだろう。メインとなるGodavariベースのA10-7890Kが出たのは2015年5月のこと。一応、2016年9月には、OEM向けに対してデスクトップ版のBristol Ridgeをリリースしたのだが、当初の予定ではこれに続きリテールマーケット向けにも流通させる予定だった。

しかし、現状は目処が全く立っておらず、一説では2017年後半になるともいわれている。その理由は明確にされていないのだが、業界筋では可能性がある話として次の2つが挙げられている。

1つ目は、Bristol Ridgeの動作周波数が思ったほどあがらず、SFF(Small Form Factor)向けはともかく普通のデスクトップ向けには非力すぎるというもの。

元々Bristol Ridgeに採用されたExcavatorコアは、Steamrollerをベースとしつつも性能/消費電力比を改善する方に振ったもので、逆に動作周波数はあげ難い特徴になっている。

それでもBristol Ridgeでは頑張って定格3.8GHz/Turbo時4.2GHzのコアまでラインナップしたが、これの生産量は非常に少なく、OEM向けに提供するので手一杯という話がある。結果として、リテールマーケットに流せる(=生産量にゆとりがある)のはかなり低めの周波数になってしまい、これでは競争力がない。

2つ目は、マザーボードメーカーがAM4対応マザーボードの出荷を渋っているというものだ。当たり前だがマザーボードメーカーとしても、新製品を出す以上はそれなりに売れてくれないと困るのだが、Zenベースの製品はともかくBristol Ridgeではあまり売れ行きは期待できず、であれば無駄に在庫を増やすよりもZenにあわせて製品を出したいと要望しているという。

この2つの説が本当かは分からない(あるいは両方本当なのかもしれない)が、リテールマーケットに流れるのはZenベースのRYZENが出荷に合わせて、ということになるようだ。

AMD CPU - いよいよ"Zen"が登場する

ということでここからはRYZEN世代の話となる。最初に出てくるのは8core/16Threadの製品でGPU非統合のものである。いまのところは2017年2月あたりに投入されることになりそうだ。こちらはCore i7 Extreme Editionをターゲットとした製品で、続いて4core/8Threadと2core/4Threadで、PolarisベースのGPUコアを統合した製品が、一応2017年前半には投入される模様だ。

こちらはターゲットがCore i3/i5/i7になるわけだが、まだ具体的な構成ははっきりしていない。早ければ2017年前半(といってもCOMPUTEXに間に合うかは微妙な程度)には市場に出てくるかもしれないが、2017年後半までずれ込む可能性の方が大きい。

とりあえずAMDのプランとしては、Top to BottomでIntelからマーケットを奪い返せるほどの体力は無いので、まずはTop endにターゲットを絞って、RYZEN+(やはり2017年に投入される)VEGAでハイエンドのシェアを少しでも取り戻し、そこから徐々に下のマーケットを侵食し直すという感じに見える。

RYZENの発表会がゲームに重点を置いたものになったのも、そう考えれば納得がいくというものだ。そんなわけで4core以下の製品に関しては、2017年後半に期待しておくのが無難なところだろう。

ちなみに以前の説明では、Zenの後継としてZen+があることが明らかにされているが、これが投入されるのは早くて2018年になるだろう。AMDとしては2/4coreのRYZENに先立って、サーバー向けの投入が待っている。

2015年の時点で、まずはデスクトップ、次いでサーバーと公言されており、ここに向けて2016年8月には2wayで32Core/64ThreadのNaplesの動作デモも公開されている

またこれとは別に、16Core/32ThreadのSnowy Owlと呼ばれるBGAパッケージのコアがあることも以前から伝えられており、2017年はこのあたりの立ち上げに忙しいことになる。これが一段落して初めてZen+に腰をすえて向かい合える、というあたりではないかと思う。