さて、それではいよいよ実際のテストについて紹介したい。

Ice Storm

Ice Stormは当初からモバイルデバイスを含むクロスプラットフォーム環境をターゲットとしており、WindowsではDirectX 11に対応しているものの、利用しているDirect3DのAPIはDirextX 9相当のものに限っている。またOpenGL ES 2.0での動作も想定しており、Android/iOS版はこちらを使っての動作になる予定である。内容そのものは氷のある宇宙(?)空間での戦いを模したものである。このテストではOff-screen Renderingの技法が利用されており、まず1280×720の画面解像度にあわせてレンダリングを行い、ついでこれを実際の画面解像度にあわせて変換するというやり方がとられる。GPUメモリ利用量は128MBと説明されている。

テストは3種類からなり、

Graphics Test 1: どれだけの頂点を扱えるか、のテスト。53万Verticesから構成され、平均18万Triangleが扱われる。概ね4.7MPixel/frameの処理性能が必要とされる。その分、Post Processingの必要は最小限に抑えられ、Particle Effectは無しである(Photo28, Movie:IceStorm_Graphics1)。

Photo28: 噴射炎を含む殆どのPost Processingが無い関係で、なんというか絵的には非常につまらないのはまぁ致し方ないところか。動きの嘘っぽさもまぁご愛嬌だろう。

動画
Movie:IceStorm_Graphics1

Graphics Test 2: こちらはどれだけのピクセル数を扱えるか、のテスト。Pixel数は平均して12.6MPixel/Frameに増えており、更にParticleの処理やBloom/Steak/Motion blurといったPost Processingも追加されている。ただその分ポリゴン数は減っており、平均して7.5万Verticesになっている(Photo29,Movie:IceStorm_Graphics2)。

Photo29: 雪の表現や噴射口からのフレアなどがある分、むしろリアリティさは増している。ただ、この4足歩行マシンは兎も角、戦闘機のほうの動きの嘘っぽさはいたしかたないところか。

動画
Movie:IceStorm_Graphics2

Physics Test: 全てのプラットフォームで、Bullet Open Source Physics Libraryが利用されている。この球状の"World"は、実際には2つのSoft bodyと2つのRigid Bodyから構成されているとしている。CPUのコアの数だけのThreadが生成され、これが物理計算に割り当てられている形になる。全ての計算はCPU側で行っており、GPUの負荷は最小限に抑えられている(Photo30,Movie:IceStorm_Physics)。

Photo30: コアの数にあわせてこの物体の増えるわけではなさそうだ。ためしに今回のテスト環境(Core i7-3960X+Radeon HD 7970)でHyper-Threadingを無効にしてみたが、物体の数は変わらず8つだった。

動画
Movie:IceStorm_Physics

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