ベンチマークその3 - マザーボードの差

3つ目は、マザーボードの違いが性能に影響するか、である。今度はGeForce 9400を使い、

  • Core i5-661+DH55TCを使った場合(i5-661/H55)
  • Core i7-870+DH55TCを使った場合(i5-661/H55)
  • Core i5-661+P7P55Dを使った場合(i5-661/P55)
  • Core i7-870+P7P55Dを使った場合(i5-661/P55)

の4パターンについてスコアを取ってみた。本来なら性能に影響は出ない筈であるが、実際にはそれなりに影響が出るのが面白いところだ。

Sandra 2010 Engineer Edition

まずグラフ69~72にArithmetic/Multi-Media/Encryptionの結果をまとめる。案外にマザーボードを変えただけで数字がばらつくのがお判りかと思う。こうしたことが起きる要因には幾つかあるが、大きいところで、

・動作周波数の差 : ベースクロックが若干ずれることで、動作周波数に影響を及ぼす(例えば100MHzを供給するはずが、PLLの関係で101.5MHzになるとか)。

・BIOSチューニングの差 : 例えばメモリアクセスにしても、基板の構成によって、フルスピードでアクセスされるとエラーがおきやすくなる場合がある。特に同一のボードを流用しつつ、下位モデルはコンデンサを省いてコストダウンなんて場合に、これが顕著となる。こうした場合、下位モデルはスピードを少し落とす方向にBIOSチューニングを行うことで、エラーを防ぐことになる。あるいは登場したての製品の場合、あえてマージンを多めにとった設定としておき、後でチューニングしてマージンを削るといった事が現実に行われている。ちなみにこれはメモリだけではなく、内部のL2/L3キャッシュのレイテンシを変化させる場合もある。つまりメモリアクセスのレイテンシだけでは調整できない場合、L2/L3のHit/Miss判定をちょっと遅らせるなんて技もあるからだ(今回はそこまではやっていないようだが)

あたりだろう。で、今回の場合、P55は両方ではないか、と思われる。というのはグラフ73を見てみると、ピークで7%もの性能差があるためで、これはキャッシュのチューニングだけでは追いつかないし、動作周波数もそこまで変動することはないからだ。

レイテンシ(グラフ74・75)に関しては大きな違いは見られないが、i5-661の場合H55はやや多めにレイテンシを取る傾向にあるようだ。