H.264やXvid/DivX、QuickTimeなどをサポート

Windows Media Playerは、Windows OS標準のメディアプレーヤーであり、確かWindows 3.0の頃から標準アプリケーションとして搭載されていたように記憶する。バージョンを重ねるごとに対応メディアファイルの拡張などを経てきたWindows Media Playerだが、Windows 7に搭載される最新版のWindows Media Player 12では、リモートメディアストリーミングに代表される機能の拡充が行なわれた(参照「第5章 Windows 7のネットワーク機能 - Windows 7のリモート再生とメディアストリーミング」)。これまでのWindows Media Playerは、OSに付属するだけでなく、単独のアプリケーションとして導入できたが、執筆時点ではWindows Vistaなどへの対応は表明されていない。これは、リモートメディアストリーミングや後述するWindows 7自身の機能拡張にも関係しているのだろう。

そもそもWindows 7のメディア機能は大幅に進化しており、映像コーデックとしてH.264やXvid/DivX。オーディオコーデックとしてAACを追加サポート。加えてハイビジョンビデオカメラの記録形式として使用されているAVCHDもサポートしているため、MPEG2やDolby AC-3にも対応している(図514)。

図514: WinHEC 2008のプレゼン資料から。Windows 7ではAVCHDをサポートし、関連するコーデックもあらかじめ搭載している

コンテナーとしてはQuickTimeファイルも新たにサポート。同ファイル形式は事前に関連付けられているが、筆者の手元にはQuickTimeファイルがなかったため、Webから適当にダウンロードしてみると、いくつかのファイルは再生できなかった。ファイル形式を調べてみると、Sorenson Video(Sorenson Vision社が開発した動画圧縮形式。QuickTime 3.0から採用されている)を用いているものばかり。「AppleのQuickTime: サンプルファイル」で確認してみると、H.264やMPEG2、3GPP/3GPP2を用いたQuickTimeファイルは再生できたので、Windows 7ではSorenson Video形式をサポートしていないだろう(図515~516)。

図515: 特定のコーデックを用意せずとも、Windows Media Player 12でQuickTime形式ファイルの再生が可能になった

図516: 一部のコーデックを用いたQuickTime形式ファイルは再生できない。筆者が調べた限りではSorenson Videoを用いたものは未対応だった