Windows 7各エディションの価格とアップグレード対応

さて、気になるのが価格設定。前述のように店頭販売されるのは、Home Premium、Professional、Ultimateの3エディションのみ。それぞれ通常版とアップグレード版が提供されるが、もっとも高額なWindows 7 Ultimateでも38,800円と、Windows Vistaの同エディションと比べ、1万円ほど安くなっている(図31)。

通常版 アップグレード版
Windows 7 Home Premium 24,800円 15,800円
Professional 37,800円 25,800円
Ultimate 38,800円 26,800円
Windows Vista Home Premium 29,800円 19,800円
Business 37,800円 25,800円
Ultimate 48,800円 31,800円
図31: Windows 7の価格

図31は、Microsoft Store Japanに掲載価格を元にしたWindows 7の価格表と、参考データとしてWindows Vista各エディションの価格をまとめたものだ(Home Basicエディションは除く)。前述のように、Ultimateは1万円、Home Premiumは5千円安くなっているが、Professionalの価格はそのままだ。本来ならすべての機能を包括的に持つUltimateをお薦めしたいのだが、Windows Vista Ultimateエディションでは、Windows Ultimate Extrasによる各種サービスは期待するほどでもなかったため、先に挙げた図30のエディション比較表を参考に、自分の使用スタイルにマッチするエディションをお選び頂きたい。

蛇足だが、イギリスのAmazonでは大幅値下げを断行し、Home Premiumが63.99ユーロ(1ユーロ=134円で換算すると、約8,575円)と格段に安くなっている(原稿執筆時点)。もっともベースとなる販売価格も、149.99ユーロ(約2万円)と日本や米国と比較してもかなり安く、Amazon.co.ukの価格設定ミスなのか、欧州委員会の圧力に起因する日米とは異なる背景があるのか計り知れない。

なお、既存環境からWindows 7へのアップグレードを予定している方は、いくつかの注意が必要だ。Windows 7の導入方法は第2章で詳しく解説するが、従来のWindows OSと同じように、既存OSに上書きするアップグレードと、新たにWindows 7を導入する新規インストール(カスタム)の2種類が用意されている。アップグレードを行なうには前者を選択するのだが、アップグレード可能なのは、Windows Vistaのみ。多くのユーザーが対象となりそうなWindows XPからWindows 7へのアップグレードインストールは行なえず、新規インストールを用いるしかない(図32)。

図32: Windows 7へのアップグレード

図32はWindows Vistaからのアップグレード可能なエディションをまとめたものだが、表をご覧になるとわかるように、32ビット版から64ビット版、またはその逆のインストールを行なうには、新規インストールが必要。Windows Vistaの各エディションと対応するWindows 7の各エディションへのアップグレードインストールは可能だが、下位エディションへのアップグレードインストールは未サポート。

つまり上位エディションへは、そのままアップグレードインストールできるが、下位エディションへ移行するには新規インストールが必要となる。例えばWindows Vista Businessを使っていたが、不要な機能が多いのでWindows 7 Home Premiumで十分という場合は、新規インストールしなければならないということだ。これらの条件に含まれる方は、あらかじめユーザーデータのバックアップを作成してから、新規インストールをお試し頂きたい。