手頃な価格で購入でき、パパッと手早くつくることのできるカップ麺。最近では有名ラーメン店プロデュースのカップラーメンも数多く登場して注目を集めているが、カップ焼そばだって負けていない! 「こんなにもカップ焼そばが進化している!!」ということがこの記事を読めば分かってもらえるはず。今回は、東京・代々木上原の超人気中華料理店「老四川 飄香(ピャオシャン)」のオーナーシェフに21種の焼そばを試食してもらい、各商品の詳細や違いを探ってもらった。

カップ焼そば、盛りだくさん。なんだか、シアワセ……

カップ焼そば誕生から約30年

商品紹介に入る前に……。まずは、カップ焼そばに関する豆知識を。カップ焼そばの誕生は、1970年代前半といわれている。つまり、誕生から30年以上が経過しているのだ。今回は昔ながらのタイプから個性溢れる商品まで、様々な商品を紹介していくが、少々気になったのが北海道限定商品が多かったという点。

カップ麺のメーカーに聞くと、北海道ではカップ焼そばの麺を茹でた後の湯でスープをつくることが定番なのだとか。そこで、粉末スープを付けた商品を北海道限定として販売しているとのことだ。

さて、いよいよソース味14種類、塩味7種類の計21種類の焼そばを紹介していこうではないか。試食を担当していただいた「老四川 飄香」のオーナーシェフ・井桁良樹さんは本場・中国でも修行して同店を開業し、超人気店に育て上げた。確かな味覚の持ち主である井桁さんは、カップ焼そばを試食してどのような感想を持つのだろうか。最後のページでは、各商品の違いが一目で分かる井桁さん監修マトリックスを披露!!

「おいしい、おいしい」とモリモリ食べる井桁さん。大丈夫です、安心してください。21種類もありますから……

試食する料理人

「老四川 飄香」オーナーシェフ・井桁良樹さん
2005年4月に東京・代々木上原に「老四川 飄香」を出店。中国での修業経験を生かしつつ、独自のアレンジを加えた本格四川料理が評判となり、連日予約で席が埋まる人気店に。店名は、"OLD四川が漂い香る"という店のコンセプトから付けた。日本人向けに、直接的ではなく香りで辛さを感じるような独自の工夫を行なっている。
住所: 東京都渋谷区上原1-29-5 BIT代々木上原001
電話: 03-3468-3486
※店舗データは取材時のもの

ソース焼そば

日清食品

「日清焼そばU.F.O」
170円(税抜) / 内容量129g(うち、麺100g)

1976年に発売された皆さんお馴染みの焼きそば(2008年3月にリニューアル)。麺は食べ応えのある太麺で、旨みや酸味、スパイスをしっかり堪能できる濃厚ソースと相性抜群。ローストした香りも食欲をそそる。具材は大切りキャベツと豚肉。仕上げに青海苔・紅生姜のふりかけをかける。

シェフコメント
「ソースの甘みと酸味が絶妙で、ややスパイシー。懐かしさを感じる味わい。麺はやややわらかめで食べやすい」

「日清ソース焼そば カップ」
オープンプライス/ 内容量104g(うち、麺90g)

香ばしいソース焼そばを、手頃な価格で楽しめる「日清バリューカップ」シリーズの焼きそば。ソースはスパイスをきかせたコクと香りのある特製ソース。特にソースの香ばしさにこだわったとのことで、コクと厚みのある味わいを工夫している。麺は粘りとコシが楽しめ、ソースとよく絡み合う。歯ごたえのある大切りキャベツに、青海苔と紅生姜付き。

シェフコメント
「ソース味ながら、さっぱりとしていてマイルド。子供から大人まで幅広く受け入れられる食べやすい味。同じメーカーのソース味(「日清焼そばU.F.O」)と比べてみると、こちらの方がよりさっぱりしている。屋台で食べた懐かしい味が思い出される」

「日清 やきそばできました。」
170円(税抜) / 内容量128g(うち、麺100g)

北海道の味覚を追求して生まれた北海道限定商品(2003年3月発売・2008年4月リニューアル)。家庭の焼そばのような懐かしい味と香りをテーマに開発。ポークとフルーツの甘みに焦がし醤油を加えたソースで、コクと旨みのあるソース焼きそば。麺はしなやかでコシのある中太麺。ジューシーな豚肉とシャキシャキとしたキャベツの具材に、青海苔と紅生姜で彩りを添える。

シェフコメント
「とてもさっぱりとしていてマイルド。それでいて香りがある。焦がし醤油のおかげなのか、香ばしさのある味わいが特徴的。麺は細く、やわらかくて食べやすい」

サンヨー食品

「サッポロ一番 BIG アラビヤン焼そばカップ」
190円(税抜) / 内容量143g(うち、麺120g)

1967年(昭和42年)、袋めんの焼そばとして千葉県の一部を中心に発売され、知る人ぞ知る存在だったものが書籍やインターネット上で取り上げられて注目を集め、カップタイプとして2008年6月に全国販売された。オニオンやトマト、人参などの野菜類の旨みと適度な酸味のきいたウスターソースをベースに、タイムやシナモン、セージ、ローレル、ナツメグ、グローブ、ジンジャー、唐辛子などの香辛料を絶妙なバランスで配合したスパイシーな味が特徴の焼きそば。麺は、モチモチとした食べやすいタイプ。歯ごたえがよく甘みのあるキャベツと、ジューシーな肉そぼろを具材にし、青海苔と紅生姜をふりかけで添える。

シェフコメント
「ソースの味は、甘みより酸味が感じられて、ややピリピリ感があってスパイシー。酸味があるのでさっぱりと食べられますね。麺はややコシがありつつ、少し柔らかく食べやすい印象」

「サッポロ一番 オタフクお好みソース味焼そば」
170円(税抜) / 内容量133g(うち、麺90g)

広島風お好み焼きのソースとして有名な「オタフクソース」と共同開発した商品。お好み焼屋風の濃厚で香ばしい味わいを再現した。ソースにはフルーツと野菜をたっぷりと使い、甘みと旨みのある濃厚な味わいに。具材は、豚肉とシャキシャキ食感のキャベツを用いている。仕上げはマヨネーズとかつお節で。もっちりとした食感の中細麺が、濃厚なソースと相性抜群。

シェフコメント
「ソースが濃厚! 適度な甘さと酸っぱさ、辛味がある。お好み焼き好きにはたまらない味。マヨネーズと青海苔も絶妙にマッチしている。麺は細くてやわらかめで、食べやすいタイプ。かなり縮れていて、ソースとも絡みやすい」