今だ! と思ってシャッターを切っても、PCの画像で見るとブレてしまっていてガックリ、ということはペットを撮影する上でよくあること。ブレには撮影者が原因の手ブレと被写体が原因の被写体ブレがある。どちらもちょっとした努力で防ぐことができる。

解決テクニック5:手ぶれをしないよう、しっかり構える

脇はしっかり締め、カメラを額に固定して、できるだけブレにくい状態にする。縦位置で構える場合も基本は同じ。コンパクトカメラの場合も脇を締めて左手を下にあて、できるだけブレないように構える。

○:良い例(一眼レフの場合)

○:良い例(コンパクトデジカメの場合)

×:悪い例(一眼レフの場合)

解決テクニック6:被写体ブレを防ぐために、おもちゃで注意を引く

被写体ブレは、ペットのお気に入りのおもちゃを用意するのが効果的。レンズのそばで音の出るおもちゃを鳴らせば、ペットの興味がそちらに向いた瞬間に撮ることができる。また動物の目は色彩をあまり感知できないので、赤や黄色など、できるかぎり明るめの色の服を着て、飼い主に顔を向けさせよう。

色がカラフルで、音のなるおもちゃが好ましい

解決テクニック7:おやつ作戦で、おあずけのまま待たせる

最初に好物のおやつを見せて、「おあずけ」のまま、目線をカメラの方まで持ってこさせてパシャリ! というのも有効な手段。うまくできたらおやつをあげて、ほめてやることも大切だ。あまり「おあずけ」の時間が長くなると、ペットの集中力が途切れてしまうので、一旦おやつを食べさせて、様子を見ながら続けるのがいい。ただしおやつは少なめにしないとペットが満足してしまい、効果がなくなるので要注意。

おやつに注目させ、動きを止めたときがチャンス

指をさし、ペットに関心を向けさせるのもポイントだ

ペットの集中力が切れそうになったら小さくしたおやつを与えて、再トライ

解決テクニック8:かごの中や段差のある場所でステイ

まだ落ち着きがない子犬や元気な小型ペットの場合は、大きめのかごの中などに入れ、少しの間、動きをセーブさせるのもいいだろう。カゴの中にお気に入りのタオルなどを敷けば、ペットも安心できる。段差のある場所での撮影も同じ理由で有効だが、臆病な性格のペットの場合は止めたほうがいいだろう。

解決テクニック9:シャッター速度を上げて、すべてのブレを解消する

シャッタースピード優先の"AEモード"でシャッタースピードをできるだけ上げれば、手ブレはある程度抑えられる。何よりもまずブレを最小限に食い止めたいのなら、シャッタースピード優先モードにして可能な限りシャッタースピードを上げてみよう。

シャッター速度が遅い場合。被写体を捉える時間が長くなるため、動きが止まらず被写体ブレを起こしやすい。また、カメラがブレた場合にも画質に影響を与えてしまう

シャッター速度が速い場合。短い時間で被写体を捉えられるので、速い動きも止められる。手ぶれなどを考慮すると1/250秒以上で撮影できるのがベスト

解決テクニック10:ISO感度を上げてブレを解消する

「ISO感度」という数値を上げてブレを防ぐ方法もある。数字と感度は比例し、感度を上げれば速くシャッターが切れる。ISO感度の幅は機種によっては様々だが、一眼レフの場合は200から1600ぐらいまではあるものが多くなっている。

ISO感度が低い場合

ISO感度が高い場合

ISO感度の設定。AUTOモードのほか、好きなISO感度を選択できる

ちょこっとコラム:ISO感度を上げるとどうしてブレが少なくなるの?

ISO感度を上げると、デジカメの撮影部分である撮像素子に当たる光の量を減らせるため、感度が低い状態の時よりもシャッタースピードを上げることができる。ISO感度アップは暗い場所で撮影をする場合に有効だが、400以上に上げると、画像にノイズ(ざらつき)が発生しやすくなってしまう。ノイズは感度アップに比例して増えてしまうので、感度を上げる時には画質とのバランスを考えて操作する必要がある。

ISO400で撮影した場合。キレイな画像だが、右下の毛並み拡大画像からざらつきがでていることがわかる

解決テクニック11:ブレやピンボケを編集でカバーする

直接の解決ではないが画像編集ソフトを使って、ブレやピンボケを補正することも視野に入れてみよう。また、プリントをするなら画像を小さめのサイズでプリントすれば、ブレやピンボケがほとんど目立たなくなる。

一見問題がないように見えるこの写真も、実はブレてピンボケしている。画面左上の拡大画像と比較しながら確認しよう


画像処理ができない写真

左の激しくブレている写真や右のように背景にピントが合っている場合は、画像の修正は難しい。画像編集はあくまで最終手段とし、まずはいい写真をとることを最優先に考えて