ピントが合わない

カメラの液晶でチェックした時は良く撮れていたと思った写真でも、PCに取り込んで確認してみるとピントが合っていない……これはカメラのAF(オートフォーカス)、つまり自動的にピントを合わせる機能がきちんと働いていないのが原因。AFはカメラ自体の性能に左右されるため、高機能カメラへの買い替えが手軽な解決方法だが、絞りの値を変えたり、AF機能を理解してうまく使いこなすことで、現在持っているカメラでもピントが合った写真を撮ることができるようになる。

絞り優先モードに設定すれば、絞りが優先される

解決テクニック1:絞り値を大きくし、ピントを合いやすくする

絞りというのは、カメラ側でレンズの明るさを変更する機能。絞り値が小さいとピントが一部にしか合わないため目か鼻のどちらかがボケてしまう。反対に絞り値を大きくすれば適用範囲が広くなり、目鼻両方にピントが合うようになる。ただその分、シャッタースピードが遅くなり、ブレが起こりやすいのが欠点。絞り値が大きく出来ない時は、目にピントが来るようにし、ボケを目立ちにくくしよう。

絞り値が小さい場合。ピントが一部にしか合わない

絞り値が大きい場合。ピントが合う範囲が広くなるので、目も鼻にもピントが合う

解決テクニック2:被写体を斜めから撮影してみる

犬などの顔が長い動物を撮影する場合は、正面から撮ると奥行きが出てしまいがち。そのため、斜めから撮ると目と鼻の両方にピントが合いやすくなる。絞りの設定が変更できないカメラで撮影する場合には、もっとも有効な撮影方法とも言えるだろう。

解決テクニック3:絞り優先モードを使う

解決方法として、絞りの値を優先する"AEモード"を使用する手もある。「F○○」という値を大きくすれば、光の量は減るが、ピントは合わせやすくなる。ただ、機種によってはAEモードの設定ができない場合もあるので自分のカメラをチェックしてみよう。

画面下にある「F5.6」というのが絞りの値

解決テクニック4:シャッターの半押しで、カメラのAFエリアを固定しながら撮影

カメラのAF(オートフォーカス)エリアを固定しながら撮影という方法でもピントを合わせられる。ペットの顔を中心にして、シャッターを半押しすると、ほとんどのカメラは画面中央付近でオートフォーカス(AF)が働く。そこで、被写体を中央に捉えた状態でシャッターを半押しし、フォーカスを一旦固定。

そのままカメラを動かしてもピントは外れないため(AFロック)、構図を決めてから最後までシャッターを押せば、ブレのない写真が撮れる。この時、明るさも同時に固定できるので背景の光に左右されることもない(AEロック)。

ピントを合わせ(右)、シャッターを半押し(真ん中)。すると、ペットが動いても(左)ヒントがずれずに撮影することができる

ちょこっとコラム ペットを撮るなら一眼レフがお勧め

一眼レフカメラはコンパクトタイプよりも高速で優れたAF機能を備えているので、多少ペットが動いてもピントを合わせやすい。本気で写真を撮りたい人は一眼レフの購入もお勧め。価格は当然機種によって異なるが、ボディ+レンズキットで6万円程度からある。写真は初心者に人気のあるニコンのエントリーモデル「D40」。軽量、コンパクトで操作も簡単で、コンパクトカメラよりも簡単にペットの写真がきれいに撮影できる。

走り寄ってくる犬でも一眼レフならピントを合わせることが可能だ