Xサーバの問題

その後しばらくしてXサーバとともにGNOMEの画面が立ち上がりますが、ここで問題が発生しました。PCにはCRTディスプレイを接続しており、Xサーバの起動時に、DDC(Display Data Channel)によってCRTディスプレイで表示可能なモードが自動的に取得されますが、ここで自動設定される解像度が不適切なのです。

具体的には、1600x1024というモードに設定され、CRTディスプレイ内部のリレー音がカチカチと何度も鳴り、ようやく収まると、画面表示が薄暗く、画面の下半分のみがかろうじて表示されるという不安定な状態になりました。このCRTディスプレイは、1600x1200のモードなら安定して表示可能ですが、1600x1024ではうまく表示できないのです。なお、[Ctrl]+[Alt]+[+]での解像度変更は効きません。

不安定な画面表示のなか、画面の余白を右クリックして「端末」のメニューを選んでgnome-terminalを起動し、xrandrコマンドで解像度を1152x864に変更してようやく正常な画面になりました(図2)。なお、GNOMEにはGUIで解像度を変更するメニューもありますが、不安定な画面表示ではGUIはほぼ操作できなかったため、コマンドラインで動作するxrandrを使用したというわけです。

図2 LiveCDのGNOMEの画面(xrandrで解像度を変更したところ)

Xサーバの対処方法

LiveCDを起動するたびに画面モードを変更する操作をしなければならないのは大変です。かと言って、LiveCDなので設定を保存することはできません。そこで、次のような方法で対処することにしました。

LiveCD起動後、言語選択の直後に一時的にCRTディスプレイのコネクタを外すのです(または、機械式スイッチによるVGA切替器を使っている場合は、一時的にスイッチを切替えても良いでしょう)。こうするとDDCが無効になり、その場合のデフォルトの1024x768のモードで Xサーバが起動します。なお、LiveCDでは設定ファイルのxorg.confは自動作成されず、xorg.confを読み込まずにXサーバ自体のビルトインの設定で動作するようです。