エレメンツギャラリーは、Office 2008 for Macで採用された新しいユーザインタフェース。メニューバーを操作する代わりに、ツールバー下へ機能別に分類表示されたタブをクリック、ワードアートや各種図形を簡単に文書へ挿入できる。

同様の機能は、2007年1月発売の2007 Microsoft Office system (Windows版Office 2007) に「リボンUI」にも見られる。それ以前のOffice製品は、ウインドウ上部のメニューバーとツールバーで構成されるユーザインタフェースを一貫して採用してきたが、複雑化するメニューバーを使いこなせていないユーザ層が少なくないこと、機能が増えるにつれ操作手順が煩雑化することから、メニューバーとツールバーを廃止してリボンUIが導入された経緯がある。

リボンUIとは似て非なる「エレメンツギャラリー」

エレメンツギャラリーを利用すれば、グラフを選ぶ作業も簡単

エレメンツギャラリー導入の背景も、大まかな部分ではWindows版Officeと重なる。しかし、リボンUIの移植というわけではなく、Mac OS X標準のユーザインタフェースと違和感なく利用できるよう工夫され、Office 2008 for Mac独自の機能として昇華されている。両者には機能差も多く、単純なリボンUI = エレメンツギャラリーという式は成立しない。

たとえば、Office 2008 for Macにはメニューバーとツールバーが残されている。Mac OS X標準のユーザインタフェース(Aqua)において、メニューバーはAquaのアプリケーションに必須の要素であり、一方的に廃止することはできないからだ。また、サンプルのサムネイルにマウスを重ねると結果が確認できる「ライブプレビュー」や、ボタンなどユーザインターフェイスの要素にマウスを重ねると丁寧に機能を説明してくれる「スーパーツールチップ」も、Office 2008 for Macには実装されていない。リボンギャラリーとエレメンツギャラリーは似て非なるもの、と理解したほうがいいだろう。

表4: リボンUIとエレメンツギャラリーの比較

Windows版Office 2007 Office 2008 for Mac
メニューバー ×
ツールバー ×
ライブプレビュー ×
スーパーツールチップ ×