Office 2008 for Macは、2007年1月リリースの2007 Microsoft Office system(Windows版Office 2007)をベースに開発されている。単なる移植版ではないため機能差は少なくないが、アプリケーションとしての基本性能はWindows版Office 2007に準ずる、と考えていいだろう。

その証拠の1つが、拡大されたExcel 2008のワークシート。従来は最大65,536行×256列(16,677,216セル) だったが、これからは最大1,048,576行×16,384列、セルに換算すると1,024倍ものデータを一度に扱えるようになった。ビジネスの現場では、ワークシートに商品や顧客データを蓄積するというデータベース的な利用法も多く、その場合行 / 列数が不足するケースも少なからず報告されていた。ワークシートの拡大を願っていたMacユーザも少なくないはずだ。

最大256列という制限がなくなった「Excel 2008」

Word 2008が合字(アルファベットの一部を融合した文字)に対応したことも、基本機能の強化といえる

セルの情報量も増強され、1つのブックに最大64,000もの独立したスタイルを持つセルを持たせることが可能になった (Excel 2004では4,000)。1つのセルが持てる文字数や色数の最大値は変わらないが、ワークシートが広くなったことに合わせたものと考えられる。

計算機能の変更点では、1つの関数に指定できる引数が30から255に増えたほか、関数の最大ネストレベルが7から64にアップしたことが挙げられる。ただし、Windows版がExcel 2007にバージョンアップしたときには、アンドゥの回数が16から100に増えたり、1つのブックで使用できる色数が最大56色から43億になったりなど、Mac版 (Excel 2008) 以上の機能強化が行われている。機能差の理由は不明だが、これもExcel 2007の単なる移植版ではない、という証拠の1つだろう。

表2: 新旧Excelの比較

Excel 2004 Excel 2008
列数の最大値 256(2^8) 16,384(2^14)
行数の最大値 65,536(2^16) 1,048,576(2^20)
セルの最大文字数 32,767 32,767
ブックで使用できる色数 56 56
ブックに設定できるセルスタイル 4,000 64,000
アンドゥの回数 16 16
1つの関数に指定できる引数 30 255
関数の最大ネストレベル 7 64