新しくなったサイドバー。Tiger(左)とLeopard(右)を比べてみよう

TigerのときのSpotlightとの統合により、もはや完成の域に達した感もあるFinderだが、Leopardではさらに予想以上の進化を遂げている。

まず目につくのは、サイドバーの変化。従来はマウントされているボリュームと主要なフォルダに二分されていたが、Leopardでは「デバイス」と「共有」、「場所」と「検索」の4エリアに区分されている。対象のネットワークボリュームが存在しないとき「共有」エリアは自動的に非表示となるほか、他のカテゴリも左端の三角形をクリックすれば折り畳むことができる。

新設の「検索」エリアには、あらかじめスマートフォルダがいくつか登録されている。今日 / 昨日 / 過去1週間と、すべてのイメージ / すべてのムービー / すべての書類の計6項目は、その項目名のとおり「今日作成されたファイル」や「マウントされているボリューム上のすべての画像ファイル」を、クリックしただけで一覧表示する。任意に作成したスマートフォルダの登録は、TigerのFinderでも対応していたが、検索エリアを設けたことはSpotlightの存在をより強くアピールする意図と考えられる。

サーバを選択するだけで、ゲストとして接続可能な状態になる

接続可能なネットワークボリュームをリアルタイムで表示する「共有」エリアも、使いやすく工夫されている。従来はボリュームアイコンをダブルクリックすると、必ずログインパネルが表示されていたが、Leopardではゲストでの接続がデフォルトになったため、目的のサーバを選択するだけで共有領域へアクセス可能になる。登録済アカウントの権限でマウントするときには、左上の[別名で接続...]ボタンをクリックして手動でログイン、という段取りだ。

鮮明さを増したアイコン、その意図とは

システム環境設定のアイコンファイルを開いたところ。512×512ピクセルと確認できる

Leopardでは、アイコンの表現力が増している。従来は最大128×128ピクセルだったものが、今度は最大512×512ピクセルと、情報量は16倍にアップ。FinderやDockに表示されたアイコンを見るだけでは気付きにくく、拡大機能をONにしたDockを操作した際に時折おやっと感じる程度だが、アプリケーションバンドル内部のアイコンファイル(*.icns)を表示すれば実感できるはず。

Mail.appの新旧アイコンを同じ大きさにして並べたところ(左がLeopard、右がTiger)。解像感の差は一目瞭然

この高解像度アイコンは、解像度に依存しないユーザインタフェースに対応するためと考えられる。今後着実に進むモニタの高解像度化 / 高精細化に備え、ユーザインタフェースの描画はピクセルベースからベクターベースへと移行することになるが、そのとき高精細なアイコン画像が必要となるからだ(アイコンはベクターベースの描画になじまない)。このあたりの詳しい事情は、木下誠氏の記事「【レポート】Mac OS X Leopard続報公開 - Top Secretはどこまで明らかに? (6)解像度非依存ユーザインタフェース」を参照してほしい。

そのため、Finderウインドウが対応するアイコンの最大サイズは、Leopardでも変わらずの128×128ピクセルだ。モニタの高解像度化が進んだ将来はどうなるか不明だが、少なくともCover Flow表示やクイックルックが利用できるLeopardのFinderには、それほど必要ではないと思われる。