【特集】

徹底研究"Penryn" - Yorkfieldで探る45nm世代Intel Architectureの真実

1 Yorkfieldの研究

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既にPreviewをお届けしたYorkfieldことCore 2 Extreme QX9650であるが、日本時間の11月12日に正式発表となった。そんなわけで、もう少し内部に踏み込んだ評価をしてみたいと思う。

5つの改良点とプロセスの変更

既存のConroe(Kentsfield)世代から45nmのPenryn世代に移るにあたり、Intelは5つのアーキテクチャの特徴の各々について、いくつかの改良を施したという話はこのあたりでも触れたが、改めて列挙すると、

(1) Intel Wide Dynamic Execution

・Fast Radix-16 Dividerの搭載(除算のスループットを倍にした)
・Faster OS Primitive Support(sti/rei命令とrdtsc命令の速度を2倍にした)
・Enhanced Intel Virtualization Technology(いくつかの命令の処理速度を大幅に引き上げた)

(2) Intel Advanced Smart Cache

・Larger L2 Cache(L2キャッシュを24-way Set Associativityとし、コアあたり6MBに容量を引き上げた)

(3) Intel Smart Memory Access

・Improved Store Forwarding(書き込み処理の一部を高速化)
・Higher bus speeds(1333MHz/1600MHz FSBをサポート)

(4) Intel Advanced Digital Media Boost

・Intel SSE4 instructions(SSE4.1命令の搭載)
・Super Shuffle Engine

(5) Intel Intelligent Power Capability

・Deep Power Down Technology(従来よりも更に消費電力が低い待機状態を追加)
・Enhanced Dynamic Acceleration Technology(片コアが待機状態で、もう片方がフルロードな場合、一時的に定格を超える動作周波数で駆動できる)

といったあたりになる。このうち(5)はモバイル向けのみとされており、デスクトップ向けとしては(1)~(4)が主要な相違点となる。

勿論最大の違いは45nmプロセスの導入である。これにより、Conroe世代の65nmプロセス製品よりも低消費電力と高動作周波数を両立することに成功している。実際論より証拠、電圧を一切変えないままで11倍速の3.67GHz動作とした上でSandraのArithmetic Benchmarkを実施した(Photo01)時の消費電力は286W。こちらと比較していただければ判るが、3GHz駆動よりもわずかに20Wほど消費電力が増えただけであり、KentsfieldベースのCore 2 QX6850よりも消費電力は低い状況だ。流石に今回は借用したCPUだし、冷却は空冷ベースだからあまり無茶はできなかったが、4GHz台は楽勝といった雰囲気である。Dual CoreならともかくQuad Coreでこれであるから、45nmプロセスがいかに効果的か、が理解いただけよう。

Photo01:電圧を変えないというのは、あくまでもBIOSで指示電圧を変更しないという意味。こちらと比較すると、Core Voltageは1.184V→1.208Vに変化している。ベンチマーク結果をこちらと比較していただければ、どれだけ性能が上がったか判ろうというもの。

では逆に低動作周波数に振ったらどこまで消費電力を下げられるか、もやってみた。利用したASUSTeK Maximus Formula Special Editionでは、FSBは最低200MHzまで下げられる。またCore電圧への指定は最小1.100Vとなっている。そこで倍率を6倍、FSBを200MHz、VIDを1.10Vとして立ち上げたところ、こちらもやはり難なく動作した(Photo02)。この状態でSandra実行時のピーク消費電力は231Wほど。待機時の消費電力も200Wを割り込む197Wまで下がった。もっともExperience Indexはそれでも5.3と十分高い(Photo03)から、この状態でも特にCPU能力不足とは感じなかった。必要ならVIDは1V程度まで落としても十分駆動できそうだし、何よりCPU以外が無駄に重装備な構成でのテストだから、低消費電力を狙った構成で組みなおせば、Conroeを使った時よりも更に省電力化を図れるのは間違いなさそうだ。

Photo02:実際のCore Voltageは1.064V。Sandraのスコアも相応に下がっているが、それでもQuad Coreの威力でそれほど性能が低いわけではない。

Photo03:まぁDual Coreでおなじ事をやったらもっとプロセッサのスコアは下がるだろうが、その分消費電力も下がるわけで、それはそれで楽しみである。

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インデックス

目次
(1) Yorkfieldの研究
(2) 基本的なアーキテクチャその1-1
(3) 基本的なアーキテクチャその1-2
(4) 基本的なアーキテクチャその1-3
(5) 基本的なアーキテクチャその1-4
(6) 基本的なアーキテクチャその1-5
(7) 基本的なアーキテクチャその2
(8) 基本的なアーキテクチャその3-1
(9) 基本的なアーキテクチャその3-2
(10) 基本的なアーキテクチャその3-3
(11) 基本的なアーキテクチャその3-4
(12) PCMark Vantageの詳細(1)
(13) PCMark Vantageの詳細(2)
(14) PCMark Vantageの詳細(3)
(15) PCMark Vantageの詳細(4)
(16) PCMark Vantageの詳細(5)
(17) その他のテスト
(18) まとめ

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