【特集】

オープンカーに乗る

1 菊池武夫インタビュー - オープンに乗るということ

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颯爽と走るオープンカー。その爽快さは体験しないと分からない。冬は寒く夏は暑い。そのオープンカーを堪能できる季節、本特集のオープニングは、オープンカーを何台も乗り継いでいるという、菊地武夫氏とそのかかわりをうかがった。

こだわるのが嫌いなことにこだわる

いまのZ4の前はBMW Z3。Z4のひとつ前のオープンですね。別にオープンカーだけが好きというわけじゃなくて、クルマそのものが好きなんですが、これでオープン何台目かな……。やっぱりBMWで325のオープンに乗っていたこともあるし、ゴルフ・カブリオレも乗ってました。毛色の違うところではマスタングのコンバーチブル。少しの間ですけどね。

一時期、すごく大きいクルマが好きで、大きいクルマばっかり持ってたころがあったんです。アメ車のフルサイズのオープン。これはこれでカッコイイんですよ。ただ、やっぱり若くないんでね(笑)、もうちょっとしっくりくる、生活感が感じられるようなクルマにしようかと。それともうひとつは東京を拠点にしてるでしょ。住んでるのも世田谷なので大きいクルマはやはり不便でね。それもあってだんだんクルマを小さくしていったんです。

我々の業界はわりと派手でしょ、表面的にはね。だから普通に考えるとイタリア車とか選びそうになる。フェラーリを始めとしてマセラッティ、アルファ……。そういったクルマを買おうと思ったことも何回かありますけどね、なんか違うんですよ。僕は照れ屋というか、ストレートすぎるのは恥ずかしい。普通の人の恥ずかしさとちょっと違うんですけどね。

英国はいいですよ。僕の洋服のイメージもそれに近いし、知り合いもすごく多いしね。実際、英国のクルマに乗ってた時期もあります。ダイムラーのダブルシックス、12気筒のヤツですね。ダイムラーのリムジンも持っていたころがありました。アストンマーチンもすごくいい。今でも大好きです。ただ、英国車もけっこうサイズが大きくて、取り回しが不便なんです。それと僕が乗るとやっぱりストレートすぎる。僕にとってイタリア車が恥ずかしいのと同じで、あまりダイレクトなのは避けたいと。

こだわりっていう言葉があるじゃないですか。僕はこだわるのが嫌いなんです。こだわるのが嫌いなことにこだわってるのかもしれないんですけど。

40CARATS&525 ジャケット:157,500円 インナー:19,950円 スカーフ:13,650円

体を動かすことに近いBMWの乗り味

「BMWをなぜ選ぶんですか」ってよく聞かれます。ヘンないい方ですけど、僕にとってBMWは特別なところがある。これだけ街にたくさん走ってて何が特別だって言われそうだけど(笑)、僕しか感じることができないものがあるわけです。だからドイツ車なら何でもいいってわけじゃない。

僕は歩くのが大好きで、休日は散歩してたり、体を動かしてるのが好きなんですよ。そうなるとベンツは落ち着きすぎてちょっと合わない。何回か乗ってたこともありますが、すぐに手放しちゃう。そのあたりもBMWだとしっくりくる。エンジンがすごくいいし、小気味よく走る。

体育会系じゃないスポーツってあるでしょ。クルマではサーキットでのレースなんかをすぐ考えますけど、そうじゃなくて小気味よさだとか軽快な気持ちよさとか。ムキになって走ろうというのじゃなくてね。普段の行動の中でも、たとえば信号待ちで一番前にいたらスッと出るような感覚。特にオープンカーだと小気味よく走りたいっていうのはありますね。

それとね、BMWを好きな理由のひとつはブランドマーク。プロペラから来たという青と白のマークだけど、ベンツのスリーポインテッドスターと並んでもっとも完成されたデザインだと思う。

40CARATS&525 シューズ(紺):59,850円 シューズ(白):57,750円

オープンなら毎日の風景も新鮮になる

Z4は仕事でしか使わない。もちろん遠出する時にも使うけど、ほとんどは都内の移動の足として使ってる。その時もずっとオープンで走らせてるよ。ほとんどひとりか、多くても二人で移動。だから二人乗りでも困らないし。

昔はね、4ドアのクルマのリヤシートに乗ってたこともあります。でもそれはつまらないし、失敗したこともありまして。いや、僕は歩くのが好きだから、運転手を待たせてるのを忘れて先に歩いて行っちゃったことが何度かあって(笑)、彼はそれがすごいストレスになってたようです。円形脱毛性になっちゃうぐらいに。それで僕には人の運転するクルマに乗る資格がないんだなってね。

オープンに乗っている理由は開放感が好きだから。いくら運転するのが好きだといっても、仕事で同じ道を走ってるやはり飽きてくる。でもオープンなら毎日風景が違って見える。歩いていてもあまりビルの上なんて見ないでしょ。でもオープンならそこにも目がいくんです。

好きな道はいくつかありますけど、たとえば246号と駒沢通りの間にある野沢通り。山手通りから入って行くと坂道になってて両側が高台で、ちょっと古い橋がかかってる。まわりは住宅地。その景色がすごくいい。それとか、明治通りの目白あたりにも橋があるでしょ。あそこも好きですね。

40CARATS&525 ブルゾン:71,400円 インナー:37,800円 スカーフ:11,550円

ハデでなく、おしゃれで、天の邪鬼

派手なのはキライじゃないです。遊び方も一時期派手だったし。ある面の派手さは好きなんだけど、直接的な派手さはあまり好きじゃないです。人がやってるのはいいし、カッコイイと思う人もいます。でもなんていうのかな、日本人って和服で裏地に凝るっていう感覚があるでしょ。一見しただけでは分からないけどよく見たら手間がかかってるとか、そのほうが僕の好みに合うんです。

僕、自分のブランドのネームを作るときに、生地と同系色の糸で作ったんです。「トーン・オン・トーン」といって、ほとんど見えないんだけど、光の当りかたで微妙に浮き出て見える。まあ、「目立たないからダメだ」って会社のほうで反対されましたけどね(笑)。そういうどこか反抗的なところ、天の邪鬼のような部分があるんですよ。それがずっと消えてない。

日本でオフィスにいる人は目立たない色とか、ダークな色の服しか着てないですよね。でも外国に行くと地位とかそういうのがある人はそれなりにきちっと着てるわけです。日本の人は服装にかまわな過ぎ。その人の顔を消してるわけです。それはとても残念なことだと思います。クルマ選びもそういうのと同じかなと思いますよ。

協力:40CARATS&525
写真:石川智

プロフィール

菊池武夫

1939年、東京都千代田区生まれ。'64年からオーダーメード服を手がける。海外遊学を経て、'71年にレディースブランド「BIGI」を設立。75年には「MEN'S BIGI」を設立。パリへ進出し、日本人として初めてメンズショップをオープン。日本テレビ『傷だらけの天使』の萩原健一氏の衣装デザインを手がけ、爆発的な人気に。'84年にワールドへ移籍、「TAKEO KIKUCHI」ブランドを発表。'03年には同ブランドを信國太志氏に任せ、クリエーティブディレクターを退任。2005年10月、同世代向けの新ブランド「40CARATS&525(フォーティーカラッツ アンド ゴーニーゴ)」を立ち上げる。

40CARATS&525

「最高の贅沢を日常に」をコンセプトに、菊池氏がデザインしたオリジナル商品と、世界中から選び抜いた商品を大人の男女に向けて提案。最高級の素材を、あえてカジュアルなデザインに仕立てる贅沢さや、大人の着崩しのだいご味が味わえる。

東京都南青山港区南青山3-14-17
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2(新宿高島屋8F)

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インデックス

目次
(1) 菊池武夫インタビュー - オープンに乗るということ
(2) 好みに合わせて様々なオープンカー
(3) マツダ ロードスターでオープンカーを楽しむ
(4) オープンスタイルにほしいアイテム
(5) オープンカーで走りたい道 - 須藤英一セレクト

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