【特集】

超漢字Vの進化 - Windows上でTRONを使う

10 将来は「T-Kernel」と「超漢字」の統合も視野に

    美崎薫  [2007/01/01]

    ――細かな点ですが、共有フォルダの件です。コンバートして実行するのではなく、その場でダブルクリックだけで実行できると、よりわかりやすくなるのではないか、と考えます。せめてコンバート時に、拡張子を自動判断してくれて、実身生成後にウィンドウに開いてくれれば、かなり使い勝手はよくなると思います。(ちょうど原紙箱がそうなったようにです)。そのような機能拡張はありますか?

    今後の可能性の1つとして検討します。

    ――複数の共有フォルダを同時に参照したいこともあります。多重起動の可能性はいかがですか?

    多重起動に関しては、今後の課題として検討していきます。

    ――T-Engineやユビキタスコミュニケーターと「超漢字」の位置づけはどうなりますか? いまのところあまり関係がないように見えます。

    PC用のソフトである超漢字Vと、T-Engineのような組み込み機器、UCのような携帯端末では、具体的な商品としての位置付けが異なっていますので、その意味ではあまり関係が無いように見えるのかもしれません。しかし、ご承知のようにOSの中身はTRON同士で共通部分が多いですし、デバイスドライバや画面関係のミドルウェアも多くの部分が共通です。したがって、T-EngineやUCでの開発成果を超漢字Vに活かしたり、超漢字V用のアプリをT-EngineやUC上でも動かしていくといった関係は、今後も継続します。既に、超漢字V上でもRFIDと基本ブラウザ(BBB)を連携させるといったユビキタス関連のアプリを動かした例はあります。

    ――x86アーキテクチャーの上で動くT-Engine OSであるT-Kernel/x86が発表されましたが、「超漢字」と統合する計画はありませんか? 素人目にはおなじように見えますが、ふたつの違いを教えてください。統合できない理由があれば教えてください。

    超漢字とT-Kernel/X86では、製品としての目的や位置付けが大きく異なっています。超漢字は市販のパソコン上で動作するシステムとして、アプリケーションも含めてパッケージ化したソフトであり、エンドユーザを対象としています。一方、T-Kernel/x86は組み込み用であり、x86系のCPUを搭載したお客様のハードウェアに合わせてカスタマイズして提供するソフトであり、メーカーを対象としています。

    また、技術的には、超漢字はBTRON3仕様に基づいたOSですが、T-Kernel/x86は、T-Engineフォーラムで策定されたT-KernelおよびT-Kernel Extensionの仕様に基づいたOSです。両者の仕様には、類似している部分も多いですが、異なっている部分もかなりあります。将来的には、超漢字をT-Kernel/x86ベースとしていくことを考えています。


    以上、「超漢字」の近未来から、すこし先の将来まで、松為さんがじつに熱く語ってくれた。感謝します。

    T-EngineのOSであるT-Kernelと「超漢字」がソースレベルで統合されれば、開発効率がアップする部分もあるだろうし、PCとユビキタスコミュニケーターやそれの発展形となる電話や携帯端末とを、完全にシームレスで扱えるようになる日が来るかもしれない。これは超漢字ユーザーにとっては、心強い未来だ。

    近い範囲の未来では、Windowsと融合する機能や、ついに出てくるか!?(でないかも!?)と期待されるハイパーテキスト機能を強化するアプリケーションが待ち遠しい。実身/仮身は現状、使えるユーザーはおろか、「説明不能、使えばわかる」というオカルトな機能として見られることもままあるが、果たして日の目が当たる日はくるだろうか!? 一層の強化を強く期待したい。

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