【特集】

「記憶する住宅」そして未来へ - 記憶を発想に高めるコンピュータ環境を作る

3 SmartWrite/SmartCalendar(1)

美崎薫  [2006/07/18]

手書き文字+写真+切り抜き+予定表

「SmartCalendar」では、「SmartWrite」とおなじフォルダ構造を共有して、複数のフォルダ内のデータをカレンダー上に、表示/閲覧/編集ができる。これまで蓄積したスキャン画像である手書きのノートや書籍、切り抜き、デジタルカメラで撮った写真、「SmartWrite」のメモ、それにテキストファイルまでを、一括して扱うことができるのである。

従来、通常のソフトは縦割りでできていて、画像を扱うソフトは画像を扱い、テキストを扱うソフトはテキストを扱うことになっていた。「SmartCalendar」では、テキスト、画像、写真を同時にサムネイルで表示して扱うことができるようにした。サムネイルのサイズも、自由に拡大/縮小できるようにした。ウィンドウズの標準のサムネイルは小さすぎて、何が表示されているかわからないのだ。

単にサムネイルを表示するだけでなく、気になった画像にはタグづけができるようにした。編集機能を持っているのである。タギングによって、「SmartCalendar」を使っていると、だんだん好きな写真/画像だけを表示するようにしていける。ユーザーは見たときに評価をしたいのであって、見なければ評価しない。あたりまえのことである。

テキストを扱えるので、カレンダーにテキストを書いておけば、予定表としても使える。予定として書いた文字列は、当然ながら検索対象となる。1年も使えば、強力なデータベースとなるはずだ。ちなみに、「SmartCalendar」で実際に検索してみると、5万件のデータを瞬時に検索できる。検索には、定評あるデータベースの「NAMAZU」を使用する。

SmartCalendarの1カ月モード。写真以外に、テキストファイル、SmartWriteのファイルなども表示できる。未来の日程のところにテキストファイルをおけば予定表としても使用できる

SmartCalendarの1日モード。左端の数字は時刻で、設定で任意の感覚で表示できる。写真やファイルは、撮影時刻や作成時刻で、自動的に分類して表示する

SmartCalendarの1日モードで、時刻の代わりに「午前/昼/午後/夜」を示すアイコンを用いたバージョン

SmartCalendarのスライドモード。1枚ずつ画像をめくりながら、コメントを書き加えることができる。書いたコメントは、SmartWrite同様に、Exifタグのなかにテキストとして保存する

モードレス/シームレス/スクロールレス

「SmartCalendar」では、従来存在した3つの壁をなくすことで、ユーザビリティを高めている。

モードレス。「SmartCalendar」には、いくつかの表示モードがある。1日表示、1カ月表示、1年表示、全部表示、スライドショウのように表示形態によって変わる表示モードである。このモードは、基本的にそれぞれをダイナミックに移行できるほか、どのモードであっても、できることに違いがない。

サムネイルを表示した1カ月モードからでも、スライドショウのモードからでも、自由にドラッグ&ドロップで他のソフトにデータをやりとりすることが可能であったり、データに対して評価を行ったりすることができる。

唯一モードが存在するのは、コメントを書く機能である。コメントは特定の1枚の写真に対して書くものであると考え、1枚ずつ写真を表示するスライドショウのときだけ、コメントを書くことができる。ここにモードがあるのも、なんとかなくそうと研究をつづけている。

シームレス。「SmartCalendar」は、シームレスに他のソフトにデータをドラッグ&ドロップできたり、他のフォルダを示す他の日付にデータを移動したりすることができる。その日付のフォルダが存在しなければ、自動的に作成する。

まったくデータが存在しない場合は、ダブルクリックだけでテキストファイルを(ファイル名をその時刻にして)作成してくれる。これは予定を書くときに使うことを想定したものである。

ドラッグ&ドロップの機能はもっと豊富で、例えばWebを見ていて、気になったところを選択してドラッグすると、ポインタのそばに「SmartCalendar」への取り込みアイコンが表示される。ここにデータをドラッグすると、そのデータがテキストであれば今日のフォルダに、テキストファイルを作成して保存してくれる。画像であれば、直接保存してくれる。

アイデアは、なにかの情報を見たときに、刺激されて生まれてくる。通常、同様の作業をするには、かなりめんどうな手間が必要だ。刺激のもとを保存する作業がワンタッチでできるのは、思いの外楽である。

SmartWrite同様、スクロールバーは廃した。スクロールバーは、かつて、ディスプレイのサイズが小さかったころの必要悪であったと考えており、今後重要なのは、「前」「次」などの直感的なページモチーフであると考えたためである。

写真の上でドラッグすると、写真に対する評価をするめニューが表示される。キーボードショートカットでも操作可能

アイコン/小サムネイルからの脱却

「SmartCalendar」では、中身の見えないアイコンやWindows標準の小さすぎるサムネイルを廃し、できるだけ大きなサムネイルを使って、情報を表示するようにした。「SmartWrite」で書いたメモは、180×135ピクセル程度のサムネイルサイズであれば、ファイルを開かなくても中身を読むことができる。

Windows標準のサムネイルは95×75ピクセル程度で、ファイルを開かなければ中身がわからない。中身がわからないサムネイルでは、サムネイルの価値がない。写真を選ぶ場合にも、写真をじっくり見ることは重要である。じっくり見るためには、結局サムネイルでは不充分で、実際のファイルを開く必要がある。

ファイルを開く作業は、ダブルクリックや選択したファイルをアプリケーションのウィンドウにドラッグすることで行えるが、ファイル数が増えると、結構手間取るめんどうな作業である。とくに、「SmartWrite」のように、1ページ1ファイルとした場合、複数のファイルの中身を同時に確認できることは最重要であり、そのためにはできるだけ大きなサムネイルサイズであることが必須なのだ。

実装された「SmartCalendar(N)」では、サムネイルサイズはホイールマウスのホイールでダイナミックに変更できる。サイズに上限はとくにないので、最大で「SmartCalendar」のウィンドウサイズまで大きくできる。この状態でも、ファイル操作(ドラッグ&ドロップによる移動や削除)は可能である。通常、ファイルを開いてしまうとできない移動や削除を、いつでもできることで、よい写真を見つけて、FTPするとかメールする、という作業を大変効率よく行うことができる。

SmartCalendarの全部表示モード。1日や1カ月などの写真を全部まとめてぶちまけて表示するモード

SmartCalendarの全部表示モードでは、サムネイルサイズをホイールマウスの上下回転で、自在に変更できる。写真を評価すると、嫌いな写真はだんだん小さく表示する

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