【特集】

Intel Core 2 全方位ベンチマーク - 新アーキテクチャの真実を見極める

23 まとめと考察

大原雄介  [2006/08/02]

考察

過去に例がないほど大量のグラフを出してしまったが、これでだいぶCore 2の素性が明らかにできた。ここまでのテストでCore 2のアーキテクチャをまとめてみると

  1. 実質的にはx86命令で3命令/Cycleを狙ったアーキテクチャである。
  2. ただしこれを、K8の様に完全な3命令分のALUを並べるのではなく、P6などに似た非対称ALUで処理しようとしている。
  3. これを補うために、Macro-Fusionを始めとするトリッキーなテクニックでカバーしている。
  4. 開発時期が短かったためか、EM64T(インテル 64)を完全にカバーしきれていない。
  5. 性能のインプルーブは、キャッシュへのアクセスを16Bytes/Cycleの帯域で行うことで実現している。

というあたりだろう。

思うに、Meromの開発当初は、64bitはEM64Tではなく、Yamhillを念頭においていたのだと想像される。これで基本的なアーキテクチャを固めた後で急遽EM64Tへの対応が必要になり、慌ててサポートを追加した、といったところだろうか。このあたりがすっきり整理されるのは、2世代後のGesher(45nm世代の最初のPenrynは、現在のMeromと同じ構造でプロセスのみを縮小したものだろう)になると思われる。逆にいえば、Penrynの世代は現在のウィークポイントを抱えたままで、これを動作周波数の高速化、もしくは4コア化で逃げるしかないだろうと予想できる。

対するAMDだが、とりあえず現在のK8が非常に大きなビハインドを負ったことは間違いない。ただ、根本的なところで負けているのは、L1キャッシュへの帯域のみである。だからといって一朝一夕にL1キャッシュへの帯域を増やせるものではないから、今しばらくは現在のビハインドを負ったまま何とか追いかけるしか無いわけだが、解が見えているだけに、対応が凄く難しい、という訳ではない気がする。

来年前半くらいまではAMDのこのビハインドは続くと思うが、その後にはちょっと良い勝負ができそうな気がする。というのは、RMMAの結果を見る限りコアの素性そのものは悪くなかったからだ。いずれにせよ、Intelの一人勝ちは面白くない(というか、AMDがK8でNetBurstを打ちのめしたからこそ、Coreが出てきたわけだし)ので、ここはAMDの奮起を期待したいところだ。

ところでCore 2におけるDDR2-800の威力であるが、現時点では非常に微妙な感じだ。Intel P965がきちんとDDR2-800で動作し、そのFast Memory Accessがうまく働けば、もう少しアドバンテージがありそうに思うが、今回のテストで見られた程度の性能差であればあまり必要ない、というのが正直な印象である。どのみちFSBと帯域がマッチしていない現状では、無理してDDR2-800を入れなくてもいいように感じる。

    関連記事

    関連サイト

    新着記事

    特設サイトの情報

    人気記事

    一覧

    イチオシ記事

    新着記事

    特別企画

    一覧