【特集】

Linux Zaurusをハックする - pdaXromでLinux Zaurusの新たな一面を探る

13 SL-C3000でもpdaXromを使いたい

    丸山弘詩  [2005/08/30]

    SL-C3000でもpdaXrom

    ここまでの記事を読んで、一番やきもきしているのはもしかしたら、SL-C3000(C3100)のユーザかもしれない。大容量のストレージを内蔵した高機能マシンであるにも関わらず、旧シリーズやSL-C1000でしかpdaXromの世界を楽しめないというのはなかなか、微妙な印象を受けるかもしれない。

    では、SL-C3000ではpdaXromを動かすことは出来ないのか?

    結論から言うと、制限付きながらも「可能」だ。ただし、通常の方法ではないため、導入・復旧共に相応のスキルと知識を要する。だが「それでもやってみたい」と思うのなら、以下の手順に沿って試してみるといいだろう。もちろん、取り掛かる前には必ずバックアップを忘れずに。

    なお、ここに記載した手順はいずれも、インターネット上で言わば「人柱」として検証してくれた方々の努力の賜物である。感謝しつつ、利用させて頂こう。

    以下は、SL-C3000でpdaXromを導入する手順である。

    1. /hdd3をext3フォーマットに変更する。
      1. ターミナル上で「su -」した後、「umount /hdd3」を実行して、/hdd3をアンマウントする。
      2. 続いて、「fdisk /dev/hda」を使いパーティションテーブルを変更する。
        1. "Command (m for help):"に「t」を入力すると、"Partition number (1-4):"と対象となるパーティションを尋ねられるので、ここで「3」を入力する。
        2. "Hex code (type L to list codes): "に対して、「83」(=Linux)を入力する。
        3. 念のために、「p」を入力してパーティションテーブルを確認する。
        4. 問題がなければ、「w」でパーティションテーブルを書き込み、fdiskを終了する。
      3. パーティションをext3でフォーマットするため、「mke2fs -j /dev/hda3」を実行する。ここまでで、ファイルシステムの変更は完了だが、標準状態のSL-C3000は、/hdd3がvfatフォーマットであることを前提にしているので、ブート時のスクリプトに手を加える。
      4. 「/」パーティションはリードオンリーでマウントされているので、ファイル編集のためには、まずリードライトモードでマウントしなおす。「mount -o remount,rw /」を実行する
      5. 「/root/etc/rc.d」へ移動して、「rc.rofilesys」のバックアップを取っておく。「cp -p rc.rofilesys rc.rofilesys.orig」辺りを実行する。
      6. 「rc.rofilesys」の内容を編集する。vfatでマウントしている部分など関連するところを修正するのだが、最低限必要なことのみを記述しておく。理解出来ない場合はチャレンジするのは躊躇しておくのがいいだろう。
      7. mkfs.vfat -F 32 /dev/${IDE1}3 2> /dev/null > /dev/null
        ⇒ mke2fs $MKE2FSOPT /dev/${IDE1}3 2> /dev/null > /dev/null

        mount -t vfat -o noatime,quiet,umask=000,iocharset=utf8 /dev/${IDE1}3 /hdd3
        ⇒ mount -t $LINUXFMT -o noatime /dev/${IDE1}3 /hdd3

        mount -t vfat -o noatime,quiet,umask=000,iocharset=utf8 /dev/${IDE1}3 /hdd3
        ⇒ mount -t ext3 -o noatime /dev/${IDE1}3 /hdd3

        mount -t vfat -o noatime,quiet,umask=000,iocharset=utf8 /dev/${IDE1}3 /hdd3
        ⇒ mount -t ext3 -o noatime /dev/${IDE1}3 /hdd3
      8. 「mount -t ext3 -o noatime /dev/hda3 /hdd3」で、マウントを確認する。
      9. 「cat /proc/mounts」で、ext3でマウントされていることを確認する。
    2. SL-C1000用のバイナリをダウンロードする
    3. bzip2(※)のバイナリを導入しておく
    4. ソフト名 bzip2_1.0.2-1_arm.ipk
      サイト名 生真面目日記

    5. 2でダウンロードしたファイルを/hdd3に置いて、以下のコマンドを実行する(rootで実行すること)
    6. bzip2 -d root-akita*
      tar xvpf root-akita*
    7. 「/hdd3/root-akita」に移動して、以下のコマンドを実行する(同じくrootで実行する)

      tar xvpf root/.var*
      tar xvpf root/.home*
      tar xvpf root/.dev*
      rm -r tmp
      mkdir tmp
    8. ここまで完了したら、rootの状態でターミナルから以下のコマンドを実行する
    init 2; chvt 1

    準備ができたら、ターミナルからこのコマンドを打って「生ターミナル」へ落ちる。もしも動作がおかしくなったら、速やかにリセットボタンで復旧させよう

    これでQtを終了させ、生のコンソール画面が起動する。ユーザ「root」でログインしよう。その後、以下のコマンドを実行する。

    mount -t none /dev/pts
    mount -t proc /proc /hdd3/root-akita/proc
    chroot /hdd3/root-akita
    source /etc/profile
    export LD_LIBRARY_PATH=/usr/X11R6/lib:$LD_LIBRARY_PATH

    これで「startx」コマンドを実行すれば、SL-C3000でもpdaXromを堪能することができるだろう。実際の日本語化やその他の手順は、これまで述べてきた方法を適用することが可能だ。

    まだまだ続く、Xの世界

    カスタマイズに終わりはない、などということは、ここをお読みの諸兄にとって釈迦に説法だろう。自分の好みに極限まで近づけることで、機械に対する愛情は大きく高まる。だが、そうすることは同時に、機械が持つ「尖った部分」「個性的な部分」を丸め、刺激を弱め、「ドキドキ」「ワクワク」を奪う行為でもある。

    pdaXromをいじり始めてここまで来た方々も、漠然とそうした不安を感じ始めているかもしれない。

    だが、心配は要らない。pdaXromの嬉しいところは、その手綱を引くのがあくまでも「ユーザ」であるからだ。メーカの思惑や施策で左右されてしまう標準環境とは違って、ユーザ主体の環境はいくらでも冒険ができるし、情熱が枯れ果てない限りは前へと進むこともできる。

    何より、Xを扱うコミュニティは、デスクトップ版のUNIX系OSだけでもごまんと存在しているのだ。前途は洋々、見果てぬ世界が先に広がっていると思ってくれていいだろう。

    機会があればまた、UpdateされたpdaXromの世界を語ってみたいと思うが、ひとまずはここで筆を置くこととしたい。

    注記

    • bzip2
      compressやgzipなどよりも圧縮率が高く、圧縮ファイルのサイズをかなり小さくできる圧縮形式。ただし圧縮速度は他と比較して遅い。

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