Linux Zaurusをハックする - pdaXromでLinux Zaurusの新たな一面を探る (1) インストールと、その前に

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Linux Zaurusをハックする - pdaXromでLinux Zaurusの新たな一面を探る

1 インストールと、その前に

丸山弘詩  [2005/08/30]
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シャープが販売しているLinux Zaurusシリーズを所有し、日々の仕事や遊びに役立てている人は数多くいることだろう。筆者もまた、その中の一人である。Linux Zaurusは2002年12月に発売された「SL-C700」をはじめに、その後継機のシリーズが特に人気を博し、現在でも「SL-C1000」や、4GBのハードディスクを搭載した「SL-C3000」や「SL-C3100」など、これまでにも非常に多くの機種が市場に出回っている。小型ながらもVGA相当の解像度を持つ液晶画面を有し、それなりに入力しやすいキーボードを備え、無線/有線LANや定額PHSデータ通信サービスといった「インターネット接続と活用」を得意とする性格に、ファンの評価が集まっていると見ていいだろう。

……と、ここまで書いたところで一度、本稿を目にされている皆さん自身のことを振り返ってみて欲しい。初めてLinux Zaurusを手にしたあの日のドキドキやワクワクは、今もなお残っているだろうか? いや、確かに中にはそうした情熱を持ち続けている人もいるだろうが、多くの方は「何となく情熱が冷めた気がする」「ちょっと倦怠期?」「飽きてきた部分もある」といったところではないだろうか。

そういった人にこそ読んで頂きたいのが、これから解説する「pdaXromを使ったX Window System環境構築」の話である。失ってしまったドキドキやワクワクを今一度取り戻し、新鮮な刺激に浸る幸福を是非とも味わって頂きたい。

なお、予め断っておかねばならないが、pdaXromの対応機種は「SL-C700」「C750」「C760」「C860」「SL-6000」及び「SL-C1000」となっている。残念ながら「SL-C3000」「SL-C3100」やSL-Aシリーズ、Bシリーズでは利用できないので、その点にはご注意頂きたい。

pdaXromとは?

Linux Zaurusの情報に敏感な方の中には、すでにご存じの方も多いだろうが、ここで紹介する「pdaXrom」とは、平たく言えば「Linux Zaurusにインストール可能な新しいOS」といったところである。

インストール直後のpdaXromの画面。派手だが決して動作は重くない

もちろん、オリジナルもpdaXromも共に同じLinuxを採用した環境なので、厳密にいえばこの表現も適切ではないかもしれないが、「GUIでの管理体系が全く異なる」ので、まるで違うOSを動かしているかのような印象を受けることも確かだ。見た目の違いは大きい、ということだろう。

オリジナルでは、Linuxカーネルの上で「Qt/Embedded」と呼ばれる環境を動かしてGUIを構築していたのに対して、pdaXromでは「X Window System」(※)と呼ばれる環境が導入される。これは一般的なUNIX系OSで広く利用されているGUIの管理体系であるため、Linux ZaurusオリジナルのQt/Embedded環境に比べると、蓄積されているノウハウや利用できるソフトウェアが段違いに多く、より便利に、深く活用が可能になるという利点がある。

例えば、X11環境でのメールソフトとして評価の高い「Sylpheed」(※)が最初から添付されているし、最近流行のブラウザ「Firefox」(※)をLinux Zaurus上で動かすことも、pdaXromを導入することで可能となるのだ。

ソフト名 pdaXrom
配布形態 フリーソフトウェア

メールソフト「Sylpheed」を起動したところ。各アプリケーションのウィンドウサイズは任意に変更できる

標準のカレンダーソフト「Dates」の画面。PIMの面でも標準環境に遅れは取らない

どんなに便利であっても日本語環境が整っていなければ、日常的な環境として利用することは難しい。pdaXromの場合は、この環境を日本語化し、より快適に利用できるようにすべく頑張っているユーザーグループが国内に存在する。実際にインストールを行った感想や報告、環境構築の試行錯誤などが細やかに掲載されており、非常に参考になること請け合いである。本稿と合わせて是非、実際にインストールを行う前にじっくりと、サイト内の記事やコメントを読んでみることをお勧めする。実体験に基づく意見の集約は、行き詰まった際に必ず、大きな助けになってくれるはずだ。

サイト名 pdaXrom.jp

補注

  • X Window System
    マサチューセッツ工科大学(MIT)のAthena Widget Projectが中心となり開発されたウィンドウシステムであり、現在ではThe Open Groupがその開発を引き継いでいる。クライアントがサーバーの機能を呼び出して使う、クライアントサーバモデルとして実装されており、ネットワーク透過な機能分散型のアーキテクチャが採用されていることも特徴の一つである。
  • Sylpheed
    配布形態 フリーソフトウェア(GPL)
    作者 Hiroyuki Yamamoto
    X Window System上で動作する、著名な電子メールクライアント&ュースリーダの一 つ。その3ペイン構造がMS Windows上で動作するBecky!に近いことから、UNIXでのコマ ンド操作に慣れ親しんでなくとも、その操作に違和感を覚えることなく利用できる。
  • Firefox
    配布形態 フリーソフトウェア
    著名なWebスイート「mozilla」のWebブラウザ機能に特化し、カスタマイズ性と高速性、セキュリティでの安全性を主眼において開発されたブラウザ。Windows/Linux/Macなどを筆頭に各プラットホーム版が公開されており、多くの環境で利用可能である。
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インデックス

目次
(1) インストールと、その前に
(2) インストールのその前に -環境のバックアップ
(3) ネットワーク設定とパッケージの導入/削除
(4) 少しでも楽に環境設定をするために
(5) SDカードの設定と日本語環境
(6) 日本語フォントの導入
(7) 日本語入力環境の導入
(8) 全般的な日本語化と、Firefox導入
(9) Firefoxの導入と日本語化
(10) 全体を細やかに整える
(11) インストールしておきたい便利なソフトウェア
(12) Emacs導入
(13) SL-C3000でもpdaXromを使いたい

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