【特集】

デュアルコア大研究 - アーキテクチャから消費電力まで

10 まとめ

    大原雄介  [2005/07/29]

    いささか時期を逸した感はあるが、やっとデュアルコア製品を総ざらえして一元的に評価することが出来た。テストを終っての率直な感想は

    • Athlon 64 X2はやはり異様に速い。その割に消費電力も少なく、価格面を除けば非常に高く評価できる。
    • Pentium DやPentium XEはやはり「価格なりの性能」。一部のエンコードなど以外では性能面のメリットは無いし、消費電力も高すぎではある。が、この価格では文句もいいにくい。

    というあたりだろうか? これまでだと、AMDとIntelで同等のスペックの製品が並ぶ場合、大体同じ価格帯にラインナップされてきたから、「同じ金額を払うならこちら」というまとめ方が出来たが、なにしろ今回の場合価格帯がまるでオーバーラップしないから、比較が非常にしにくい。もう一度グラフ1と2を見比べていただくと分かるが、Athlon 64 X2のラインナップの「下に」Pentium Dのラインナップが並ぶ、というある意味強烈なポジショニングがなされている。

    まずAMDに関して言えば、今回はX2 4800+のみの評価なので、例えばAthlon 64 X2 4200+とAthlon 64 4000+の比較は行っていないから、このあたりのポジショニング(&プライシング)が適切か、は判断しにくい。が、少なくともX2 4800+が4000+を凌駕し、FX-57にも並ぶ性能をたたき出している事は確認できたし、従って価格&ポジショニングには文句は無い。

    同様にIntelに関しても、820~840のポジショニングと価格は、割合に妥当なものだろうと結論づけられる。とりあえずエンコード以外の用途にはお勧めできないが、エンコードに限って言えばPentium Dは悪い選択肢ではないし、ハイエンドのPentium D 840ですら市販価格は62,000円前後。Athlon 64 4000+とほぼ同等(*6)で、エンコード性能だけは高いから、これはお買い得であろう。強いて文句をつける場所があるとすれば、Pentium XE 840が性能の割に高すぎということだろうか? 現時点ではゲーム用途としてはまるで役にたたない(というか、エンコードにしか向かない)事が再確認できたわけだが、それでPentium 4 XE 3.73GHzと同じ価格というのはちょっと問題がある気がする。Intelの言い分である、「来年にはマルチスレッドのゲームが増える」も分からなくはないのだが、それが出てくる頃にはCPUが一変している公算は非常に高い。

    (*6) つい先日、SanDiegoコアのAthlon 64 4000+を自費で購入したが、やはりこれが\62,000だった。

    そんな訳で、デュアルコア対決はAMDのほぼ圧勝な訳であるが、このリードがいつまで続くかはちょっと微妙である。YonahなりConroeなりが出てくると、このあたりは簡単にひっくり返る可能性がある。以前の特集で示した通り、Pentium Mもまた高効率・高IPC・低消費電力のコアであり、単位消費電力あたりの性能とか、同一周波数での性能はAthlon 64とさして変わらない。今は動作周波数の違いで差を付けることができているが、Yonah/Conroeが出てくると、かなり厳しい戦いになるであろう事は想像がつく。本命は来年後半のConroeだろうから、登場まであと1年。それまでの間に、デュアルコアのシェアを十分に握れるか? というのは、価格をどこまで下げられるかに大きく関係するところで、そのためには65nm SOIプロセスへのスムーズな移行(によるYieldの向上)や、Fab36のスムーズな立ち上げ(による生産能力の拡充)が必須である。今は多少リードしているAMDだが、このリードを保ちつづけられるかどうか、はまだまだ不確定要素が多い状況で、今後の動向が気になるところだ。

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