【特集】

地デジのインフラ整ってますか - 意外と知られていない受信のツボ

7 地上デジタル放送を観るためには何が必要か?(2)

    よしのわたる  [2005/07/06]

    ブースターはOKか

    一戸建ての住宅でのテレビアンテナは、たいてい屋根の上に屋根馬と呼ばれる土台を設置して、そこに取りつけられたポールの上に取りつけられる。ポールはステーで固定されているはずだ。このアンテナから、同軸ケーブルで信号が屋内に引き込まれる。アンテナの下にあるのがUVの混合機だ。UHFとVHFの電波を1本の同軸ケーブルを使って屋内に引き込むために混合する装置である。さらに、その下にあるのが、屋外用のブースターだ。これら両方の装置は、製品によって使用できる周波数範囲が異なっている。もちろん、地上デジタル放送を受信するためには、UHFのローバンドに対応したものでなくてはならない。

    ところが、首都圏などの古い一戸建て住宅では、ブースターが設置されていなかったり、設置してあってもVHF専用のものだったりというケースもある。その場合、地上デジタル放送に対応したブースターを新たに設置する必要がある。ここで注意してほしいのが、まったくブースターが設置されていないアンテナにブースターを設置するケースだ。ブースターには電源が必要なのだが、その電源は、一戸建て住宅の場合、屋根裏などから引っ張ってくることになる。そこに電源が来ていない場合、新たに電源工事も行う必要があるのだ。

    ブースターに関してはさらに条件がある。首都圏では、既存のアナログ波との兼ね合いなどから、3段階に分けて地上デジタル放送の出力が上げられていくことになっている。そのため、アンテナを設置したときにはちょうどよいゲインでも、放送の出力が上がった際には、信号レベルが強すぎるということにもなりかねない。また、これまで、サテライト局からの電波を受信していた地域を除けば、UHFにはそれほど多くのチャンネルが存在していたわけではない。それが、地上デジタル放送によって一気にチャンネルが増えると、ブースターは従来の何倍もの信号を入力されてしまう。この場合も、入力オーバーになってしまうことになる。

    ブースターは、高周波用の増幅器にほかならない。ただし、特定の周波数に同調して増幅を行うというのではなく、フィルタを使って、一定の範囲以外(放送に使用されていない範囲)の電波を排除して、残りを増幅しているわけだ。地上デジタル放送に対応したブースターでは、信号が強すぎる場合の入力オーバーをさけるため、内蔵されたアッテネータ(減衰器)でゲインをコントロールしている。ちなみに、そのゲインは手動でコントロールするものと自動でコントロールできるもの(オートブースター)とがあるが、それほど価格は変わらないので、これから導入するというのであれば、自動でゲインをコントロールできるタイプを選択した方がよいだろう。

    さらに配線の話

    従来の屋内配線では、縦配線(直列配線、または送り配線とも呼ばれる)という方式が使用されているケースが多かった。しかし、この場合、個別のテレビコンセントでの信号レベル調整が難しく、さらに、各コンセントに電流を通す/通さないといったコントロールが複雑になる。これらはスター配線に変更すれば解決するが、コストがかかるのが問題だ。
    図に示したように、スター配線の場合、分配器から直接コンセントに配線されるため、必要なケーブルはどうしても多くなる。さらに、もともと縦配線用の配線スペースしか確保されていない場合、変更が不可能だとか、可能であっても大規模な工事が必要なケースもある。

    場合によってはアンテナ工事が必要かも

    地上デジタル放送に必要な配線はアンテナ線だけではない。双方向番組などに参加するためには、現在のところ、電話回線を利用するのが一般的なため、地上デジタル放送のコンテンツを100%楽しみたいのなら、機器のそばに電話回線も必要となる。また、有料コンテンツを受信する際にも電話回線は必要だ。地上デジタル放送に対応したチューナー(機器に含まれているものも含めて)には、ネットワークインタフェースも搭載されているが、その対応は将来的なものとされているケースが多い。

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