【特集】

マイクロソフトSFU vs Cygwin - Windows上のUNIX互換環境を徹底比較

8 まとめ ~SFUには「Fink」が必要~

    海上忍  [2004/02/28]

    SFUとCygwinには「Windows上にUNIXの機能を実現する」という共通項があるものの、コマンドの書式など相違点は少なくない。独立したサブシステムとして実装されているSFUのほうがパフォーマンス的には有利だが、入門機でさえCPUパワーに余裕がある昨今、耐えられないほどCygwinが遅いわけでもない。CygwinにはXFree86が移植されているので、労せずKDEやGnomeを使えるというSFUにない利点もある。

    SFUを利用して気になった点は、他のUNIX系OSと比較して"方言"が強いこと。ディレクトリ構造はFHS 2.3※と異なる部分が多く、ルートディレクトリに「admin」や「log」、「common」といった独自のディレクトリが存在する。ソースコードのコンパイルも一筋縄で行かないことが多く、configureスクリプト実行時に「CFLAGS=-D_ALL_SOURCE」とフラグの設定が必要になる程度ならばまだしも、パッチを必要とするものが少なくない。emacsやXFree86のような導入の動機となるアプリケーションが移植されていないことも、先行するCygwinと比較して見劣りする点と言える。
    (※:Filesystem Hierarchy Standardの略で、UNIX系OSにおけるディレクトリ構造を標準化すべく策定された。RedHat LinuxなどのPC-UNIXのほか、Solarisにも採用されている)

    今回の新バージョン(v3.5)から無償化されたSFUだが、その行く末はユーザ主導のパッケージングプロジェクトが発足するかどうかにかかっていると思う。Mac OS Xには「Fink」が存在するように、パッチの作成からバイナリパッケージの配布まで一貫して行う"ユーザ有志"が現れないことには、すでにプロジェクトとして成熟しつつあるCygwinに対する訴求力がないからだ。結局のところ、必要とする機能が手軽に実現できるかどうかという点がエンドユーザの判断基準となるため、せっかくの資産を生かすためにもユーザ有志の登場を願う次第だ。

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