【特集】

PDF再入門 - フリーツールでどこまで行ける?

5 PDFWriterとDistillerの違い

    海上忍  [2004/12/24]

    Acrobat(Professional/Standard)には「PDFWriter」と「Distiller」という2種類のアプリケーションが含まれ、どちらを利用してもPDFを生成できる。Windows版のみ収録されている前者はプリンタドライバの一種として認識されるので、それを対象に印刷を開始すればPDFを生成できる。ちょうどPDFが紙の代役を果たすわけだ。

    両者の違いは、元となるデータの違いにある。PDFWriterの場合、OSの描画ルーチン(Windowsの場合GDI=Graphic Display Interface)を使用するため、描画精度もOSの描画能力に左右されてしまい、高い解像度を指定できないので商業印刷用途には適さない。一方のDistillerの場合、直接PostScriptプリンタへ送信すれば印刷物そのものとなるデータ(PostScript)をソースとして使用するので、2400dpiなどという高品質なPDFを生成できる。厳格な文字組や精細な画像を扱う場合、必ずといっていいほどDistillerが使用される理由はここにある。

    なお、OSの描画ルーチンにPDFの技術を取り込んでいるMac OS Xは、Windowsと単純比較できない。Mac OS X版のAcrobatにもPDFWriter(「プリンタ設定ユーティリティ」に登録されるプリンタエントリ)が収録されているが、CUPS※経由でDistillerへと処理が渡りPDFが生成されるなど、Windowsとはだいぶ実装が異なっている。
    (※ : 多くのUNIX系OSに採用されている印刷システム)

    PDF生成プロセスはPDF Writer経由とDistiller経由の2通りある

    Adobe Acrobatを構成するアプリケーションの機能の概要

    ツール名主な機能
    AcrobatPDFを編集/管理するアプリケーション(v3.0までの名称は「Exchange」)
    PDFWriterPDFを生成するアプリケーション(OSにはプリンタとして認識される)
    Adobe PSPostScriptプリンタドライバ
    DistillerPostScriptファイルからPDFを生成するアプリケーション
    ReaderPDFを閲覧/印刷するためのアプリケーション(原則として編集不可)

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