【特集】
IntelのXeonやAMDのOpteronといった64ビットアーキテクチャが実用的になるに伴って、従来メインフレームやRISCサーバが担っていた大規模なエンタープライズシステムを、クラスタ化されたIAサーバで置き換える動きが活発化し、いわゆる「グリッド・コンピューティング」への移行が進みつつある。一般的に、情報システムの信頼性を高めるためには、2つのアプローチがある。まず、システムを構成するハードウェア、ソフトウェア自体の品質を高めることがひとつだが、一定の水準以上の品質向上は、どうしても高コストになりやすいのが難点だ。そこで、現実的な選択肢として重要となるのが、「グリッド」「クラスタ」といった冗長化の技術である。単独のシステムでは性能、信頼性が要求に満たないとしても、複数のシステムの集合として冗長化されたグリッドやクラスタでは、各構成システムが相互に補完しあいながら全体として高い信頼性、高い性能を発揮できる。
こういった時代の流れの中、従来エッジ系Webサーバや部門のファイルサーバとして活用されてきたオープンソース・ソフトウェアにも、エンタープライズへの進出を目指した活発な動きが見られるようになってきた。すなわち、高信頼性、高可用性、高パフォーマンスを実現するための改善や機能追加、クラスタ・システムへの対応などである。特に、企業情報システムの中心となるデータベースの分野ではこの動きが顕著で、PostgreSQLでは「Slony-I」や「PGCluster」といったクラスタ・システムが実際に運用され始めているし、MySQL AB.からは新たに「MySQL Cluster」が発表された。PostgreSQLもMySQLも、もともと大規模システムへの適用事例がないわけではなく、信頼性や性能の高さはある程度実証済みだったが、レプリケーション、クラスタといった分野ではこれまで商用データベースに並ぶものがなかった。もし、これらのクラスタ・システムが実際の業務への適用に耐えるものであれば、いよいよ商用データベースとオープンソース・データベースの差は大きく縮まることになろう。そこで本稿では、「MySQL Cluster」のテストを通して、現在のオープンソースデータベースの実力と将来性の一端を検証してみたい。なお、今回のテストはあくまでもデータの可用性とMySQL Clusterの基本的な動作を検証する目的で行い、速度等パフォーマンス面については考慮しない。
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