【特集】

History of GNU - GPLとはなにか

8 まとめ - 信頼の輪は揺るぎないか?

    海上忍  [2004/04/13]

    GNU GPLというライセンスがここまで普及した背景には、ブームと呼んで差し支えないほどのセンセーションを巻き起こしたLinuxの存在も大きいが、gccやEmacsという強力なソフトウェアの貢献を忘れてはならないだろう。Linus Tovalds氏も書籍「オープンソースソフトウェア 彼らはいかにしてビジネススタンダードになったのか」の中で「Linuxの今後の移植性がどうなるかは、GCCが主要なチップのアーキテクチャに今後どれくらい移植されるかにかかっている」と述べているように、gccという存在なくして現在のLinuxの隆盛はありえない。今後もGNUプロジェクトおよびGNU GPLは、フリー/オープンソースソフトウェアにおいて不可欠な存在であるはずだ。

    しかし、これほどまでフリー/オープンソースソフトウェアが普及してくると、いろいろな問題が生じることは避けられない。日本だけを見てもGPL違反はすでに何件も発生していること、今後はチップに埋め込まれる形態も増えるため、ますますリバースエンジニアリングが難しくなる -- GPL違反の発見が困難になる -- ことを考えると、人の善性のみ見ていていいのか、という疑念も出てくる。以前どこかでStallmanが「あらゆる社会は信頼を前提にしている」と語っていたが、現実はもう少し厳しいように思えてならない。

    最後に、GNUプロジェクトに賛意を示したい場合、我々一般ユーザに何ができるかを考えてみたい。GNU宣言には「企業にはマシンと金銭の寄付を、個人にはプログラムと労働の寄付を」とあるので、やはりプログラミングや文書の作成に協力することが妥当な線だろう。以下の写真のような封書を受け取りたい場合には"大人の対応"もいいだろうが、ちょっと野暮かな、と筆者は考えている。

    あることをすると届くFSFからの封書。Stallmanのサイン入りだ。欲しかったもので……

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