【特集】

「向かって使う」から「持って使う」へ - ユビキタスを実感できるTablet PC

17 まとめ - 1st Product

    海老名美智代  [2002/11/26]

    ○まとめ - 1st Product。日本メーカの改善、改良、小型軽量化の本領発揮を期待したい

    ざっと駆け足でTablet PCとの歴史から始まり、今回発表された新製品3機種まで紹介させていただいたが、如何だっただろうか。WPC EXPOでの講演や各社のデモンストレーションを見て、触ってみたい、どんなのだろうと、ドキドキわくわくしていた物をレビューさせて頂き、内容や使用感がここをご覧の皆様に伝わればとても嬉しい。

    しかし、実際のTablet PCを使ってみると、ハードもソフトも人が使う利便性や携帯性を良く考えられて作られている事が分かるが、良くも悪くも「最初の製品」であると感じた。良いと感じた点は、タブレット機能搭載により従来のPCよりも直感的に画面操作が可能になった事、手書き入力した文字の認識性能が高く、Journalもまた直感的なメモを取るのに適したソフトで、本体も約1.5~2kg弱なのでモバイルもできる範囲内である事などだ。

    一方で、少し不満に思ったことは、CPUパワーやメモリ容量などハードの仕様の数値を見ると高いが、実際に動画のストリーミングなどを行うと有線LANで接続していても、再生はできるが綺麗とは言いがたい。我が家の自作デスクトップPC(Pentium 4 1.7GHz)でも同様に再生を行ったのだが、こちらは問題なく再生することができたので、余計に残念感を持った。よって、スロットインタイプや超薄型のドライブ類をピュアタブレット型に搭載できるようになれば、よりTablet PCを活用しやすくなるのではないかと思う。また、データ再生能力という点では、Intelでも来年の第1四半期発表予定の次期モバイルCPU「Banias」をTablet PC向けとしても考えているようなので、来年にはより小型軽量化や長時間駆動、高性能なTablet PCが発表されるのを大いに期待したい。

    また、気になるのは11月7日のWindows XP Tablet PC Edition発表時に、発表されたNECと松下の動きだ。NECは以前から開発表明はしており、現時点では発表されていないが、来年の1~3月には1kg以下で15mmの厚さのピュアタブレット型Tablet PCを出す予定だとしている。また、松下といえば、B5サブノートPCのドライブベイ搭載は無理という業界の定説を覆して、CD-ROM搭載のノートPCを発表した"挑戦する企業"だが、これもまだ開発を表明しただけで、製品内容や発売予定などは一切明らかにされていないため、今後の発表に注目していきたいと思う。

    今後まだまだ進化を遂げていくことは確かなTablet PCだが、現在はまだビジネス向け製品として位置づけている企業が多い。価格面でノートPCと比較すれば、より低い値段で同程度もしくは、高い性能の製品を買う事ができる。Tablet PCはビジネスの世界、例えば会議や打ち合わせの席、調達や在庫管理、医療現場で活躍する事は容易に想像が付く。しかし、私は家庭での利用法も提案したい。

    Tablet PCは、キーボード入力やマウス操作を覚えられず、結局はPCを使わなくなってしまった方や、避けてしまった方の負担や気持ちを軽減できる製品ではないかと思うからだ。またPCと言えば、ノートPCにしろデスクトップPCにしろ使う場合は、PCに「向かう」という言葉で表現されてきたが、Tablet PCは雑誌や本を開いて読むように「開く」といった言葉で表現されるのではないだろうか。居間で、コタツで家族と会話をしながら横でTablet PCを開いてメールチェックやブラウジング、今TVで放送されている番組の情報を調べては画面を覗き込んで家族と談笑、TVでプレゼントのお知らせが出れば、手書き入力でメモを取ってもらったり、番組もHPにアクセスして応募してもらったり、寒い冬にはコタツでころごろしながらインターネット上の小説を読んだり…そんな使い方もあるのではないだろうか。PCを自室で一人寂しく使う時代は終わった、家族のいる場所でノンビリと一緒に使う時代、団欒をしながら使う時代になってきたのではないかと、今回、私はTablet PCを通して感じた。

    Journalの主婦的使い方
    TabletPCの究極の主婦的使い方としてはやはり、昼のワイドショーで見た料理レシピを、TVを見ながら書き写す事かもしれない…いや、かなり便利だ

    最後に蛇足だが、11月下旬に発売予定のNECの「ホームAVサーバ AX10」(PK-AX10)を使えば、家庭内LAN環境を使い、番組を録画しながらでもTablet PCで録画済の番組を見る事ができるだろう。ビデオデッキが1台しかなくて録画済を見るか今やっているのを見るかという選択に迫られ、困る事は少なくなるだろう。Tablet PCに標準搭載の無線LAN(IEEE802.11b)ではストリーミングでの視聴は仕様上可能だが、有線LANを使いTablet PCにダウンロードしてから視聴する事をお勧めする。どうしても無線LANでストリーミングやダウンロードしたと思われるならば、IEEE802.11aの導入をお勧めするが、それでも転送速度は落とさなくてはないらいだろう。

    (執筆=海老名美智代)[02/11/22]

    Tablet PC登場 阿多氏「新しいコンピューティングの始まり」と高らかに宣言
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/11/07/09.html

    富士通のタブレットPCは「FMV-STYLISTIC(スタイリスティック)」、8日の発売
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/11/07/17.html

    東芝、ハイスペックなノート型タブレットPC「DynaBook SS 3500」を発表
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/11/07/07.html

    日本HP、Compaqの名を冠したタブレットPCを発表 - 1台3役のマルチタイプ
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/11/07/16.html

    マイクロソフト
    http://www.microsoft.com/japan/

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