【特集】
■まとめ ~Darwinの未来~
20年以上も昔の話になるが、「MZ80K」や「TK80-BS」など、組み立てを要するキット状のコンピュータが販売されて人気を集めていた。RAMが数十KBも搭載されていれば恩の字、コンピュータは一部のマニアのもの、という時代である。
今回Darwin x86を利用して思い出したのは、他でもないそれらDIY的コンピュータだ。もちろん、Darwinはソフトウェアだが、情報の収集からシステムの整備に至るまで自助努力を要するという点で似ている。x86プラットフォームのユーザは既にLinuxやFreeBSDによる洗礼を受けているので、そのようなDIY的OSを受け入れる土壌が---少なくともMacintoshより---あるのではないだろうか。それが、今回のDarwin x86を面白いと感じた理由の1つだ。
そして、本家筋ともいえるMac OS Xに開発環境一式が標準添付されるようになったことは、少なからずDarwinによい影響を与えると考えられる。"Mac OS Xの普及すなわち潜在的Darwinistの増加"という図式が成り立つからだ。Aqua上で動作するものは無理だが、X Window System用の(オープンソース)ソフトウェアであれば、誰でもMac OS X/Darwin PPCで動作するバイナリを作成できる。Darwin x86については、ファットバイナリを用意したり、ソースやパッチを整備したりといった対策が必要となるが、それほど難しい問題ではない。Darwinは、もっと面白くなるかもしれないのだ。
もしx86プラットフォームにDarwin普及の余地があるとすれば、課題は2つある。「ドライバの整備」と「バイナリ配布プロジェクトの推進」である。前者はAppleの(非GNU的な)ライセンス方式により他のPC-UNIXのような勢いは得られないかもしれないが、必要不可欠だ。一方の後者は、ユーザ有志が集結すれば、PJEやJRPMのようなバイナリ配布プロジェクトのDarwin版発足はありえない話ではない。「Installer」を使うMac OS Xと「dpkg」を使うDarwinではパッケージングが未統一ではあるものの、やがては解決されるだろう。
これまで"物好きの物好きによる物好きのための…"という存在だったDarwinは、x86版の登場を契機として変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。すべてはAppleではなく、ユーザ側の対応如何にかかっているのだと思う。
(執筆=海上 忍)[2001/05/23]
■ 資料:Darwin関連Webサイト
Apple
- Open Source -Darwin
http://www.opensource.apple.com/projects/darwin
Darwinfo
http://www.darwinfo.org/
The GNU-Darwin Distribution
http://gnu-darwin.sourceforge.net/
Darwinist's House
http://ppc.linux.or.jp/~konishi/
GUI for Darwin
http://www.ab.wakwak.com/~tino/darwin
Darwin-jp(仮)なページ
http://www.be.wakwak.com/~unakami
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