【特集】
○状況が不明なノートパソコンだが、だからこその搭載を期待
さて最後に、ひとつの問題点を提起し、結論に変えたい。
現在のところ、他のメディアなどでUSB 2.0について書かれた記事はいくつかあるが、それらはほとんど、チップセットに内蔵される、つまりほとんどのパソコンに搭載されることを前提とした視点で書かれている。
この前提が無事に現実のものとなるか? これこそがUSB 2.0の鍵を握っている。
技術的な話となるが、USB 2.0のコントローラーはPCIやCardBusで接続するには負担が大きい。一般的なPCIバスの転送速度は1056Mbps(約133MB/秒)。480Mbpsにも及ぶ速度を出すハイスピードUSBデバイスは、最高でおおよそ半分程度の転送速度を消費することとなる。
これはハイスピードUSBデバイスがフル稼働している場合、他の機器で使えるデータ転送速度は半分程度となってしまうことを意味する。これは、ビデオキャプチャーカードなど、高速な転送速度を必要とする機器を接続する場合は大きな問題となる。
チップセットに内蔵された場合では、こうした問題は軽減できる。PCIバスではなく、MuTIOLやV-Linkといったチップセットの高速バスに接続できるからだ。そして実際に、各チップセットメーカーも内蔵の予定を立てている。USB 2.0は間違いなく普及するという現在の雰囲気は、こうしたところから出ている。
こうした点から、USB 2.0の将来は安泰に見える。しかし、その前提が崩れると、実は意外に脆い点が見えてくる。個人的な意見だが、そこに不安を感じてしまう。とくにIEEE 1394に対しては、いくつかの不利がある。まず対応製品の価格。現時点では1394対応ドライブやインタフェースカードはUSB 2.0製品と同等か、それよりも安価であることが多い。
そして筆者が気になっているのが、日本でiMacと並ぶUSB普及の立て役者となった、ノートパソコンでの対応だ。出荷台数数や搭載された場合のユーザーメリットの大きさを考えると、普及の鍵を握っているのは今回もノートパソコンといえる。
全世界的な状況とは異なり、日本のノートパソコンは異様なほどIEEE 1394の搭載機種が多い。対して、USB 2.0の搭載に関する情報は全く見えない。とくに必要性の高いサブノートパソコンなどでは、「インテルがチップセットに搭載する」という実質上の前提条件は五里霧中だ。メーカー各位には、ぜひともノートパソコンでの搭載を期待したいものだ。
デスクトップパソコンに関しては、単体チップでの搭載を計画しているマザーボードメーカーが多いこと、そしてチップセットメーカーの選択肢が多いことから、普及の前途はかなり明るい。速度や互換性の高さ、使いやすさといったハイスピードUSBのユーザーメリットは、非常に大きいものだ。それだけに、ぜひともユーザーのメリットの高い形での普及を期待したい。
(執筆=橋本 新義)[2001/07/06]
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