【特集】
○まとめ ~ スピードとパワーの次に来るものは ~
FinderとDockに代表されるGUIの機能強化、DVDへの対応など、Mac OS X 10.1がもたらすメリットは少なくない。指摘の多かったパフォーマンスの向上についても、一応の解決は見ている。ジョブズCEOが示したとおり、これを機にMac OS Xへの本格的な移行が始まることは確実だろう。
だが、Mac OS Xに秘められたUNIX/NeXT的な部分に期待するユーザの立場から見ると、クリアすべき課題は多いように思える。そのうちのいくつかは、10.1でも手付かずのままだ。
たとえば、Mac OS Xのシステム上重要な情報の多くは「NetInfoデータベース」に保存されているが、これを管理するための"優しい"インタフェースが不足している。IPアドレスとホスト名の対応表(hostsファイル)をNetInfoデータベースに登録しておくと、DNSサーバなしでもホスト名を利用して通信できるのだが、現在の「NetInfo Manager」は普通のユーザにとって理解しにくい。SMB/CIFSクライアント機能が追加されたというのに、NetInfoのスキルがなければ満足な(TCP/IPベースの)LANを組めないのが現状である。
Finderに垣間見える"ダブルスタンダード"も気になるところ。細かい話だが、Finderの「情報を見る」ダイアログボックスで[一般情報]項目に表示される「場所」は、10.1から旧Mac OSで用いられていた「:」で区切るパス記述方式に変更された。10.0.4まではUNIX流の「/」を用いる方式だった(正確なパスではなかったが…)ところを、敢えて戻した格好だ。
確かに、HFS/HFS+のルールに従えば、この記述方式は正しい。しかし、それでは「/」から始まるUNIXのファイルシステムとは異なる表記となってしまう。たとえば、Terminal上では「/Volumes/Macintosh HD/Documents/cube.pdf」として表されるファイルがFinder上では「Macintosh HD:Documents:cube.pdf」になる。1つのファイルの保存場所を表現する方法が2つある、という事態はよく考えると妙だ。
私見だが、このような"迷い"がMac OS Xには多く存在するように思える。UNIX的な部分を覆い隠すこと自体は誤ったアプローチではないはずだが、隠し方のルールに曖昧な部分があると、ユーザに無用の混乱を与えかねない。また、NetInfoなどのシステム上重要な部分のインタフェースが改善されずに放置されていることも、折角の機能が生かされないという意味で惜しまれる。次回のバージョンアップでは、この辺りの整理についても期待したい。
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| 同じFinderだが、旧Mac OS流の「パス」に従うこともあれば(左)、UNIX流のパスを要求されることもある(右) | |||||
(執筆=海上 忍)[2001/10/04]
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