【特集】

超漢字の世界 - 多漢字だけじゃないその個性

2 OSとしての仕組み、アーキテクチャ - その個性や先進性

美崎 薫  [2001/07/18]

○OSとしての仕組み、アーキテクチャ - その個性や先進性

パーソナルメディアの発売する「超漢字」シリーズは、32ビットプリエンプティブ・マルチタスク(完全なマルチタスク)でシステムが動作するDOS/V用のOSパッケージである。

「超漢字」パッケージは、OSであるB-right/V(びーらいとぶい)と、基本ソフト、各種フォントなどからなっていて、これ1本だけあれば、メールからインターネットまで、基本的なコンピュータの応用としては十分な機能をもっている。

また、パッケージ以外にも、メーラーなどのソフトが発売されていて、日々使いやすさも向上している。特に、この夏、トンパ文字などの多文字環境が大いに注目されている。

まずは、基本となるB-right/Vについて、簡単に解説しよう。B-right/Vは、マルチウィンドウとGUIを備えた32ビットのマルチタスクOSである。OSというと、WindowsやLinuxが一般的だが、これらとB-right/Vの違う点は、3つある。

1つ目は、当初から多国語環境を意識した構成に設計されているということ。2つ目は、ハイパーテキスト環境を標準環境として設計されていること。3つ目は、リアルタイム性を重視してゼロから設計されているので、シンプル&コンパクトであることである。

このうち、特に多国語環境については、他のOSを完全に凌駕している。標準の状態でまったく外字などを用いることなく、150万文字を扱うことが可能であり、実際に17万文字以上が実装されているのである。しかもこの17万文字が、「超漢字」パッケージのなかに入っているので、「超漢字」を購入すれば、標準状態でインストールするだけで、多文字環境を使うことができるようになっている。

扱える文字は、日本語、中国語、韓国語などのほか、アルファベット圏の文字、アラビア系の文字などのほか、モード(iモード)絵文字、別売のトンパ文字(中国・雲南省で使われている象形文字)、無償で配布されているホツマ文字(古代文字とも創作文字ともいわれる、どちらかといえばトンデモ文字)などまで幅広い。これらを、ファイル名からデータベースまで、自由に混在して利用でき、検索することまで可能である。

文字に関しては、「超漢字」を名乗るだけあってかなり重点を置いて開発が続けられていて、まもなく登場すると噂される第2期GT書体5,000文字などが、順次搭載されていく予定である。実際に使われた本物の文字だけでなく、iモード絵文字やホツマ文字のような文字も、わけへだてなく収録していく方針だ。いま流行の陰陽師、安倍晴明の使ったセーマン「」や、安倍晴明の宿敵・芦屋道満のドーマン「」(九字)。陰陽を示す「」などももれなく収録されている。TRONには外字はない、という方針なので、なんでも楽しめてしまうのがよいところだ。

今後は、SFの「スタートレック」の文字や、「星界の紋章」のアーヴ文字なども入っていくともいう。ちなみに、「仮面ライダークウガ」のグロンギ文字は、著作権者の東映の意向で収録予定はないというのが残念なところだが。 ともあれ、これほど多様な文字環境を柔軟に実装できるOSは、他に類を見ないのであって、他のOSが多文字を実装できる時代が10年後にやって来るとすれば、「超漢字」は10年先の未来を実現した先進性をもつOSだ、ということがいえるだろう。 ハイパーテキスト環境とシンプル&コンパクトについては、順番に紹介していこう。
「超漢字」のOSは、32ビットのB-right/VというBTRON仕様OSである。「超漢字」というのは、B-right/V+システムアプリケーションとのパッケージ商品の名称だ。このB-right/Vは、中心にリアルタイムOSであるITRONをもっている
TRONでは、6万文字(16ビット)の言語コード面を複数もつことで、理論的に150万文字、将来必要であれば無限にコードを拡張することが可能な言語コード体系(これをTRON文字コードと呼ぶ)を使用している。これは1面分のデータ。これが複数面あることで、すでに割り当てられた17万文字以上の文字を、すべてのアプリケーション、ファイル名(実身名)などで、自由に混在して利用することができる。もちろん、トンパ文字の実身名をつけることもできる

トンパ書体に付属するサンプルで見た、トンパ文字の使い方。生きている象形文字といわれるだけあって、いろいろ手軽に使える。もちろん、このトンパ文字も外字ではなく、図形でもなく、自由にシステムで混在して利用できる「文字」である
この原稿を書いているところ。一見図形に見えるセーマンや陰陽の印も、文字として自由に文章中に混在して扱える。文字なので、検索もできる。図形とは違うのである。何気なくモードという文字も使っているのがおわかりいただけるだろうか

ちなみに、モードの絵文字も、すべて収録されている。「超漢字」というから文字だけしか使えないかと思っている人もいるかもしれないが、ぜんぜんそんなことないのだ。多文字の世界は、だれが使っても楽しいのである

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