【特集】
○20万元の「創業」から「漢ソウ」の投入まで
聯想集団有限公司(北京市海淀区中関村科学院南路10号、略称:Legend Holdings)は、中国最大のPCメーカーである聯想電脳(Legend Computer)を傘下に抱える聯想グループの中核である。聯想といえば、いまや日本を除くアジア太平洋(APEJ)のPC市場で、IBM、三星(Samsung)などを抑え、トップシェア(10.4%/2000年)を占める、いわば中国ITの旗艦(フラッグシップ)だ。しかし、その生い立ちは極めて慎ましいものであった。
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| 設立当時の事務所 |
聯想の前身である「中国科学院計算所公司」が発足したのは1984年11月である。そのきっかけは、中国科学院の予算不足で頭を悩ましていた当時の所長の発案だった。だが、科学院が出資したのはわずかに20万元(現在のレートで約300万円)。事務所に割り当てられたのは、これまた20平米足らずの小屋であった。
言ってみれば、ナイナイづくしからのスタートを余儀なくされたのだが、こうした悪条件は当時の中国企業の多くに共通の問題であった。それだけに、最大公約数的な課題を最初に乗り越えた企業は、国家的な模範、ないしはパイオニアになることを運命づけられていた。
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| 創立者・柳傳志 |
聯想の中心的人物である、創立者・柳傳志(Liu ChuangZhi)らが、こうしたナイナイづくしの中から手探りで導き出した答えが、「貿-工-技モデル」と彼らが呼ぶ企業発展戦略であった。
まず、彼らは「貿易」からスタートした。と言っても、右から左へモノを売りさばく類ではなくて、当時はまだ多くの企業にとって未知のブラックボックスであった、PCの据え付け、メンテナンスなどを、短期間ではあったが、請負ベースで集中的におこなったのである。これで、70万元の資金を蓄積することができた。
つぎに柳傳志が着目したところが、聯想の社史のなかで、おそらく会社が存続する限り永遠に語り継がれることになるべき画期的な事業だった。
すなわち、80年代の中頃、中国国内のPCユーザーの間でもっとも早期の解決が望まれていた問題--漢字入力問題に対する回答--を「漢ソウ(漢字はこちらを参照)」(Chinese Character Card=聯想漢字システム)として製品化し、一挙に市場に打ち出したのである。彼らがいう「貿-工-技モデル」のなかでは、「工」への移行とも言える。
柳傳志は、第1ステップであった「貿易」で汗水たらし稼ぎ出した70万元を、すべてこの「漢ソウ」開発に投入したという。そして、結果的にはこの「漢ソウ」が大当たりした。
それは、聯想創業初期の売上推移に如実にあらわれている。「漢ソウ」の市場投入後、売上は85年の300万元から、翌年には1,800万元、87年になると7,300万元に達している。この間、売上は実に24倍もの拡大を示したのであった。
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