「山ガール」なんて言葉も誕生するほどの登山ブームが巻き起こった。富士山は世界遺産に登録され、登山道に渋滞ができるほどの人気スポットとなっている。ここでは、登山初心者も、昔から山に登っていたという人も楽しめる山めしレシピを紹介していく。山で食べるごはんはカップラーメンでも旨い。でも、もう少しがんばれば、病み付きになるほどの旨い山めしが食べられるのだ。これで、山に行く楽しみがまた1つ増えるはずだ。

山めしづくりに必要な道具

初回は、私がいつも使っている山めし道具を紹介しよう。湯を沸かしたり、鍋料理をしたり、炒め物をしたり、何をするにも必要なのが山用のバーナー。プリムスの「153ウルトラバーナー」は手のひらに乗る小さなサイズながら、火力は3,600kcal/hと通常のカセットコンロよりも強力で、長年愛用している。

プリムスの「153ウルトラバーナー」。火力は3,600kcal/hと強力

湯を沸かすコッヘルは、スノーピークのチタン製「チタントレックコンボ」。大鍋が1,400ml、小鍋が900mlで、小鍋の中にガスカートリッジとバーナー、ライターがちょうど収まるのがいい。冬場は大きいほうで鍋物を、小さいほうで湯やお茶を沸かすのに使っている。タテ型でザックへの収まりもなかなかいい。

1,400mlの大鍋と900mlの小鍋がセットになったスノーピークのチタン製「チタントレックコンボ」。小鍋にガスカートリッジやバーナー、ライターが収まる

さらに最近、一番使っているのがこのチタン製のフライパン。炒め物や焼きそばはもとより、パスタや鍋物も実はこれ1つでこなせて、ほぼ万能な山めし調理器具といっていい。軽くてザックの背面部分の隙間に入れて運べるので、かさ張るコッヘルも持たずにすみ、なかなかの優れものだ。

チタン製のフライパンはかなり万能

ビクトリノックスのアーミーナイフ

最後はアーミーナイフ。いろんな機能がついているものも多いが、私が使っているものは、ビクトリノックスのソルジャーシリーズ。ナイフ、缶切り、栓抜き、ピックのシンプルなもので、その分ハンドルが薄くて料理に使いやすい。

これらに加えて、自作のまな板、箸、カトラリーセットとマグカップ(私は酒用に使用)があれば、山めしの準備は万端だ。


著者プロフィール

げんさん
山で飲むビールのおいしさに目覚め、酒を飲むために山に登る会社員。酒に合わせた山ごはんの記録「山めし礼讃」ブログが人気となり、「げんさんの山めしおつまみ」として書籍化される(エンターブレイン刊)。バーナー1つ、フライパン1つででき、簡単だがひと工夫で「飲める山めし」のため、新しいレシピの開発に余念がない。
※オフィシャルサイト「山めし礼賛