異国エジプトで、ダブルワークならぬトリプルワークをこなす「おろぐちともこ」が、仕事や現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃない「エジプト」をお楽しみください。(毎週火曜更新予定)

【感情が豊かすぎるおじさん】

ピラミッドの内部はカメラを持ち込むことができません。そのため、入り口で吹きさらしの岩の上にカメラを置いていけと係のおじさんに言われた私たち。

「うーわー。カメラ大丈夫かなぁ…」と心配する私の横で、友人も信じられないという顔をしています。おじさんは友人を見て、「カメラを盗むに違いない」と疑われたと勘違い。「オレのことが信用できないのか!!」といきなり怒り出してしまいました…。

慌てた友人は「そんなこと一言も言っていないでしょー!」と声を上げるものの、頭に血が上っているおじさんには通じません。仕方がないので、(嫌だったけど)岩の上にカメラを置いてピラミッドの内部へ入りました。

ピラミッドで見かけたラクダ。羨ましいほどまつげが長い!

内部見学を終えて入り口へ戻った私たち。岩の上には、預けたカメラがちゃんと置いてありました。「無事でよかった!」と一安心して、お礼をいいその場を立ち去る…はずだったのですが、突然私の腕をつかみ「ほーら! 大丈夫だっただろう!? じゃあ踊れ踊れ!!」と、急に御機嫌になるおじさん。あんなにブチ切れていたのに、まるで別人のような切り替えです。

「さっきは怒らせてしまったし、仕方がないか」ということで、ひょろひょろとおじさんのダンスに付き合った私…。踊らせる必要ある!? というのが本音ですが、世界遺産の入り口で踊るという体験ができた、と喜ぶべきなのかもしれません…。


おろぐちともこ
大学で古代エジプト史を専攻し、2011年よりカイロ在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌の漫画を執筆したり、デジタルアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながらぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。