異国エジプトで、ダブルワークならぬトリプルワークをこなす「おろぐちともこ」が、仕事を含む現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃない「エジプト」をご堪能ください。(毎週火曜更新予定)

【確かにすごく速いけど…】
「仕事に絶対必要だと思うアイテムを1つ上げてください」と言われたら、何と答えますか? 恐らく多くの人が「パソコン」と答えるのではないでしょうか? 私もマンガや仕事の資料作りなどはパソコンで行っているため、なくなったら仕事にならない必需品と言えるでしょう。

エジプトも同様で、私の会社では1人1台パソコンが支給され同僚たちは華麗なる指さばきで仕事をしています。

しかしながら、「華麗なる指さばき」というのは単に「タイピングが速い」というわけではありません。

資料づくりをお願いした同僚の様子を見てみると、まさかの「人差し指」でタイピング。ショートカットキーを駆使してマウスもほとんど使いません。予想以上のスピードでリズミカルに入力する姿は、まさしく1本指打法!!!
(両手の人差し指だから2本指打法……??)

周りを観察してみると、ほぼ完全に人差し指だけで作業をしているのは彼女ぐらいだということがわかりました。しかしながら、両手の指すべてを使ってリズミカルにタイピングをする人もあまりいないのかな…という印象です。

キーボードには英字とアラビア文字が印刷されています

「これって私の会社だけ?」と思い、現地の友人に確認したところ、「もちろん指をすべて使って入力できる人はいる。だけど彼女のように人差し指だけ、指2~3本だけで入力する人も一定数いる(そしてタイピングは意外と早い)」とのこと。エジプトで求められているのは、正しい指使いよりも「タイピングのスピード」なのかもしれません。

その友人に「日本人は両手の指全部を使ってタイピングする人がほとんど」と教えたところところ、「指を全部使ってブラインドタッチする姿をエジプト人が見ると、『アメリカの映画みたい!』って思う人も多い」と言われました。人差し指を駆使するエジプト人同僚、器用なのか不器用なのか、エジプトの不思議にふれた気分でした。


おろぐちともこ
大学で古代エジプト史を専攻し、2011年よりカイロ在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌の漫画を執筆したり、デジタルアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながらぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。