職業　：会社員・漫画家・家庭教師
現住所：エジプト・アラブ共和国

異国エジプトで、ダブルワークならぬトリプルワークをこなす「おろぐちともこ」が、仕事を含む現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃない「エジプト」をご堪能ください。(毎週火曜更新予定)

【仕事中の礼拝について】

エジプトに来た人ならば、1度は「礼拝」の様子を目にしたことがあるのではないでしょうか。イスラム教の教義では、1日に5回行うように定められています。お昼まえや午後の礼拝は勤務時間と重なるため、職場で礼拝をする人もいればしない人もいるようです。

私の同僚たちは時間になると「ちょっと失礼」と言ってお祈りを始めます。場所は、あいている部屋、職場の片隅などそのときによって様々。お祈り用の小さなじゅうたんを敷き、その上でお祈りをする姿を目にします。

今でこそこうした同僚たちの行動にも慣れましたが、オフィスの片隅でおもむろにじゅうたんを敷き、お祈りを始める様子に驚いたものです。

そんな私が抱える最近の悩みは、「うっかりドアを開けたらお祈り中」問題。

上でもお話しましたが、同僚たちは様々な場所でお祈りをしています。そのため、用があって同僚の部屋に行ったら、すごく真剣に礼拝をしている場面に遭遇することも。もちろん故意ではないのですが、プライベートをのぞき見してしまった、あるいは着替え中の更衣室のドアを開けてしまったときのような罪悪感……。声をかけることもはばかられます。

そんなときは「邪魔してごめん!」と心の中で謝りながら、静かにドアを閉めて立ち去るのでした。

カイロの旧市街にある「ムハンマド・アリーモスク」

おろぐちともこ
大学で古代エジプト史を専攻し、2011年よりカイロ在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌の漫画を執筆したり、デジタルアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながら、ぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。