職業 :会社員・漫画家・家庭教師
現住所:エジプト・アラブ共和国

異国エジプトで、ダブルワークならぬトリプルワークをこなす「おろぐちともこ」が、仕事を含む現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃない、(うさんくさいところもあるけど)どこか憎めない国「エジプト」をご堪能ください。(毎週火曜更新予定)

エジプトの「地下鉄」について

毎朝の通勤ラッシュ、憂鬱かと思います……。
あるサイトで、東京の地下鉄の駅員さんが乗客を満員電車に押し込む動画を見たエジプト人の友人は、まさかの非現実的な混みっぷりに「まるでコントだ」と大爆笑していました。

日本の首都・東京の地下鉄は、一番混んでいる区間だと混雑率が200%近くになるところも。 ちなみに東京23区を走る地下鉄は、東京メトロと都営地下鉄だけで13路線、地下鉄駅は285駅もあるそうです。リア充ならぬ、せっかくの地下(鉄)充なのに、あの混雑ぶり。
…東京怖いよう。

さて、私の住むエジプトの首都カイロにも、メトロ(地下鉄)の路線が3本走っています。チケットの値段はたった1ポンド(約15円)。
その1ポンドで全路線全駅どこまでも行けるメトロは、「市民の通勤通学の足」としてなくてはならない存在です。

チケットは、窓口のおじさんから買うアナログなスタイル。
自動販売機はまだ導入されていないようで、見たことはありません。
(目撃情報があったらぜひ教えてください)

改札口には、たくさんの自動改札機が整然と並んでいるものの、チケットを入れたのに改札のバーが上がらなかったり、 作動しないことがよくあります。スムーズに通れるとおもいきやバーに容赦なく遮られ、身長の低い私は思いっきりお腹をバーに強打することも(涙)。
私の腹はお肉があるからいいものの、普通の人の身長だと脛や太もも強打でしょう。
足はもっと痛いでしょうに…(ガクガクブルブル)。

改札を超えるのも一仕事ですが、本番はここから。
そう、「朝の通勤・通学ラッシュを無事に乗り切れるか(言い過ぎ?)」です。

カイロの満員電車、車内の混雑っぷりはもちろん、乗り降りもなかなか壮絶です。

地下鉄の真ん中あたりに位置する2車両は「女性専用車両」。イスラム教では結婚していない男女の接触をあまり良しとはしないので、全車両に女性専用車両が設けられています。

もちろん女性も普通車両に乗ることはできます。その場合、女性の隣には女性が、男性の隣には男性が座るよう通常の車内でも気が配られているようです。

そんなわけで、私はいつも女性専用車両に乗車。
女性しかいないので、ラッシュとはいえすこしは楽ちんなのかとおもいきや……。

車両が到着し、扉が開くと待ってましたとばかりに、小さいおばちゃん、どっしりしたおばちゃん、女子大生、どっしりした女子大生ほか有象無象がドアに殺到!!
(どっしり体型の女性が多いエジプト)

降りる人乗る人、みんなが一斉に押し寄せ、肉を挟み・挟まれる壮絶な体のぶつかり合い…。これはもはや相撲部屋の稽古レベルです。

時間までに、会社に辿り着かなければ…!!!
その意思だけが、私に勇気を与え、体を奮い立たせます。

(乗りたくないけど)乗るしかない、このビッグウェーブに!!

というわけでビッグウェーブに乗り続けた結果、エジプト型通勤ラッシュを目の前にしても「あ~、またか~」と、ぼやきつつ、日常風景として受け入れている自分がいます。
慣れって怖いですねぇ。

チケットはすごくシンプル。ちなみに地下鉄内は撮影禁止です。


おろぐちともこ
大学時代古代エジプトを勉強していたためエジプトの地を踏むこと6回。7回目に踏み入れた2011年よりエジプト在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌を中心に漫画を描いたり、漫画のデジタルアシスタントしたりと、漫画の活動の幅も国境を越えて拡大中。
至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながら、ぼけっとお茶をすること。
生活記Bolg[「つぶえじ」](http://ameblo.jp/oro/)では、現地の生活の様子を不定期に発信している。