共働きパパ、実はがんばっている!?

父親の育児参加は"当たり前"として語られるようになった今、働く母親だけでなく父親たちも自分に合ったワークライフバランスを模索しているようです。これに関して、ベネッセ教育総合研究所が発表した「第3回 乳幼児の父親についての調査」(2014年10月実施)の中に興味深いデータがありました。

共働きの父親が最も早く帰宅している

同調査は、0~6歳の乳幼児を持つ2,625名の父親を対象に、妻が専業主婦の世帯、妻が正社員の共働き世帯、妻がパート・アルバイトの共働き世帯の3群に分けて、育児や家事への関わり方について調べたものです。

調査の結果、平日の帰宅時間が最も早いのは、正社員の共働き群でした(19時台までに帰宅すると回答した人が46.5%)。その次にパート・アルバイトの共働き群が続き、最も帰宅時間が遅いのは専業主婦群。20時台をピークに21時台以降に帰宅する割合が39%と高い結果となっています。そしてこの結果と連動するように、平日に子どもと過ごす時間が最も長いのも正社員の共働き群であることが示されたのです。

さらには、育児・家事への参加具合でも週に3~5回以上「食事の後片付けをする」と回答した父親の割合が42.4%と正社員の共働き群が断トツ。次いでパート・アルバイトの共働き群(36.6%)、専業主婦群は32.4%と続いています。また「子どもをお風呂に入れる」「子どもと一緒に室内で遊ぶ」といった育児項目に関しても、共働きの両群でともに割合が高いという結果になりました。

「評価されていない」と感じてしまう父親たち

ここまでを見ると「働くパパたち、がんばってるね! 」という話なのですが、同調査ではそんな父親たちの「本音」も浮き彫りにしています。3群の父親に対して子育てで感じていることを調査した結果、「自分なりに子育てを精いっぱいやっているのに、評価されない」と感じている父親の割合が正社員の共働き群でもっとも高かったのです。前述のとおり早く帰宅して家事や育児をこなしている正社員の共働き世帯の父親たちは、そのがんばりに対する正当な評価を受けられていないと感じているようです。

その原因はいくつか考えられますが、夫婦が互いに正社員で同じような働きぶりだと妻側に「私もやっているんだから夫もやって(できて)当たり前」という視点が強まることがまず考えられます。やって当たり前と思っている妻からの感謝やねぎらいの言葉が最も足りていないのが、正社員の共働きパパなのかもしれません。

しかし考えてみれば、周りの同僚や上司が遅くまで働いている職場で、必死になって業務を効率化して早く帰宅してくれているパパが増えているからこそ、このような結果の違いが表れたのではないでしょうか。このパパの姿、保育園のお迎えまでの限られた時間で必死にがんばっている世の働くママたちと全く同じですね。お互いに忙しくて余裕のない毎日でも、もっと「ありがとう、助かるよ」を言葉にできるようにしたいですね。

※写真と本文は関係ありません

著者プロフィール

ここるく 代表取締役 山下真実

「わが子を大切するために、ママが自分自身を大切にできる子育てスタイル」を提案し、人気のレストランが託児付きで楽しめるサービス「ここるく」を運営するママ起業家。
投資銀行や金融系コンサルなど金融業界でキャリアを積みつつ、2011年に第一子を出産。初めての子育て中に「今まで気にもとめていなかった当たり前の事が、産後は一気にできなくなるんだ! 」と感じたことがきっかけとなり、現代に合った子育て支援を実現するため2013年にここるくを設立。同サービス運営を通じて得られる働くママ達のリアルな視点とコンサル経験を活かして、企業に対する女性活躍推進コンサルティングを行う。

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