先週に引き続き、今週も画像の配置について詳しく解説していこう。今週は、画像の位置を数値で指定したり、ページの四隅に配置したりする方法を解説する。また、画像が属する段落を示すアンカーの役割も紹介しておく。ささいなことではあるが、理解しておくと不要なトラブルを回避できるはずだ。

「行内」で配置した画像の行ぞろえ

まずは、「行内」の配置形式で画像を配置した場合の操作手順から解説していこう。前回の連載でも解説したように、「行内」の配置形式では画像が「1つの巨大な文字」として扱われる。よって、行ぞろえの書式指定を使って「中央ぞろえ」や「右ぞろえ」の配置に変更することが可能である。以下の図は、画像を含む段落に「中央ぞろえ」の書式を指定し、画像を文書の左右中央に配置した場合の例である。

「行内」で配置した画像を「中央ぞろえ」

このように、「行内」で配置した画像は「行ぞろえ」の書式で位置を指定することが可能である。もちろん、インデントを使って画像の位置を調整してもよい。文字の配置を調整する場合と考え方は同じなので、これまでの連載で解説した内容を理解できていれば、画像の位置も問題なく調整できるだろう。

画像の配置とアンカー

「行内」以外の配置形式を指定した場合は、画像が属する段落を示すアンカーの役割を理解しておくと、不要なトラブルを回避できるようになる。画像をクリックして選択すると、文書の左端に碇(イカリ)のアイコンが表示される。これが画像が属する段落を示すアンカーとなる。

画像が属する段落を示すアンカーのアイコン

上図の例では、「神奈川県川崎市……」の段落に画像が属していることになる。よって、この段落の位置が上下に移動すると、それに連動して画像の位置も上下に移動することになる。例えば「神奈川県川崎市……」の段落の前に改行を挿入すると、画像の位置も1行ずつ下へ移動していくのを確認できる。

アンカーがある段落の前に改行を2つ挿入した場合

このように、「四角」や「前面」などの配置形式を指定した画像も、いずれかの段落に属する仕組みになっている。画像を文書内の好きな位置に移動できるからといって、「画像」と「文字」が無関係な存在になっている訳ではないことを覚えておくとよいだろう。

「画像が属する段落」は「画像の位置」に応じて自動的に決定されるが、これを自分で指定しなおすことも可能だ。「画像が属する段落」を変更したいときは、アンカーのアイコンを上下にドラッグすればよい。

アンカーの移動

画像の位置を数値で指定

続いては、画像の位置を数値で指定する方法を紹介しておこう。この場合は「レイアウト オプション」のアイコンをクリックし、「詳細表示」を選択して「レイアウト」の設定画面を呼び出す。

「レイアウト」の設定画面の呼び出し

すると、以下の図のような設定画面が表示され、画像の位置を数値で指定できるようになる。画像の位置は「画像が属する段落」の左上を基準にして、mm(ミリ)単位で指定する仕組みになっている。

段落の位置を数値で指定

例えば、「下方向の距離」を0mmに指定すると、「画像」と「段落」の上端をそろえて配置できるようになる。画像の位置を細かく指定したい場合に活用するとよいだろう。

「下方向の距離」を0mmに指定した場合

「段落」ではなく「ページ」を基準にして画像の位置を指定することも可能だ。この場合は「配置」の項目を選択し、「基準」に「ページ」を指定する。例えば、ページの右上に画像を配置するときは、以下の図のように指定を行えばよい。

「ページ」を基準にした配置の指定

「ページ」の右上に画像を配置した場合

「ページ」を基準に画像の位置を指定すると、「文字列と一緒に移動する」の項目が自動的にOFFになり、「画像が属する段落」と「画像」の位置が連動しなくなる。よって、文章の編集により行数などが変化しても、画像の位置は常に固定されるようになる。

※「文字列と一緒に移動する」の項目は、「OK」ボタンをクリックした後に自動的にOFFに設定される。

「書式」タブにある「位置」コマンドの活用

図ツールの「書式」タブにも画像の位置を指定するコマンドが用意されている。このコマンドを使って画像の位置を指定した場合は、文書の「余白」を基準にして画像が配置される。例えば「右上」の位置を指定すると、以下の図のように「余白」の右上にそろえて画像が配置されることになる。

「位置」コマンドを使った配置の指定

「右上」を指定した場合

念のため、「レイアウト」の設定画面がどのように変化しているか確認してみよう。

「レイアウト」の設定画面

*  *  *

「位置」コマンドで画像の位置を指定した場合は、「基準」に「余白」が指定される仕組みになっている。このように文書の余白に合わせて画像を配置するときは、「基準」に「余白」を選択すればよい。活用できる場面は意外と多いので、こちらの指定方法もあわせて覚えておくとよいだろう。