今週は、文書に挿入した画像の配置について解説していこう。画像を文書内の好きな位置に移動するには、「文字列の折り返し」で配置形式を変更しなければならない。画像を含む文書の作成に欠かせない設定項目となるので、その仕組みを十分に理解しておく必要があるだろう。

「行内」の配置形式の考え方

文書に画像を挿入するときは、「挿入」タブにある「画像」をクリックして画像ファイルを選択する。すると、カーソルがあった位置に画像が挿入される。この操作手順は特に難しくないので、詳しく解説しなくても作業を進められるだろう。

画像の扱いで問題となるのは、文書に挿入した画像を移動するときである。Wordの初期設定では、文書に挿入した画像が「行内」という形式で配置される仕組みになっている。

「行内」の配置形式で挿入された画像

画像をマウスでドラッグすると画像の位置を移動できるが、どこでも好きな場所に画像を移動できる訳ではない。実際に操作してみると分かるように、画像を移動できる範囲は「文字が入力されている場所」もしくは「改行が入力されてい場所」に限定される。

これは画像に「行内」の配置形式が指定されていることが原因だ。「行内」の配置形式では、画像を「1つの巨大な文字」として扱う仕組みになっている。以下の図は、画像を文章の途中に移動した場合の例である。この図と「文章中に巨大な文字が1文字ある図」を比較してみると、非常によく似た状況になっているのを確認できる。

文章の途中に画像を移動した場合

文章の途中に「巨大な文字」がある場合

もちろん、実際には「画像」が「文字」として扱われる訳ではないが、画像を移動するときの考え方として覚えておくとよいだろう。文書に文字を入力できる場所は、「すでに文字が入力されている場所」もしくは「改行が入力されている場所」となる。ページの右下などの空白部分にいきなり文字を入力することは不可能だ。これと同様に、画像も好きな場所に移動できないのである。

配置形式の変更

画像を文書内の好きな場所へ移動するには、画像の配置形式を変更しなければならない。配置形式を変更するときは、画像をクリックして選択し、右上に表示される「レイアウト オプション」を操作すればよい。また、図ツールの「書式」タブにも配置形式を変更するコマンド(文字列の折り返し)が用意されている。

レイアウト オプション

文字列の折り返し

ここで「行内」以外の配置形式を指定すると、画像を文書内の好きな場所へ移動することが可能となる。指定した配置形式に応じて「文字」と「画像」の処理方法が変化するので、それぞれの違いをよく確認しておくとよいだろう。

「四角」の配置形式

「上下」の配置形式

「背面」の配置形式

「前面」の配置形式

配置形式に「四角」を指定した場合は、画像の周囲に文字が回り込んで配置される。一方「上下」の配置形式は、画像の上下だけに文字を配置する配置形式となる。画像と文字を重ねて配置したい場合は、「前面」または「背面」の配置形式を指定すればよい。

「四角」や「上下」の配置形式を指定したときは、文字と画像の間隔を調整することも可能だ。この場合は「文字列の折り返し」から「その他のレイアウト オプション」を選択し、「レイアウト」の設定画面で上下左右の間隔を指定すればよい。

「レイアウト」の設定画面の呼び出し

文字と画像の間隔の指定

「外周」の配置形式は、画像の形状に合わせて文字を回り込ませる場合に指定する。「四角」の配置形式に似ているが、画像を回転させたときの挙動が異なるので、以下の例を参考に処理方法の違いを確認しておくとよいだろう。

「四角」の配置形式

「外周」の配置形式

「内部」は、図の内側部分にも文字を表示する配置形式となる。とはいえ、画像には内側部分がないため、この配置形式は図形やイラストに対して指定するのが一般的な使い方となる。また、図の内側にも文字を表示するには、「文字列の折り返し」から「折り返し点の編集」を選択し、図形と文字の境界線を指定しておく必要もある。

「内部」の配置形式と「折り返し点の編集」

今回の連載で解説したように、文書内の好きな場所に画像を配置するには「文字列の折り返し」で適切な配置形式を指定しなければならない。Wordに用意されている配置形式のうち、一般的によく使われるのは「行内」「四角」「前面」の3種類である。

論文や白書のように、段落と段落の間に画像を配置するときは「行内」の配置形式のまま編集作業を続けていけばよい。一方、文書内の好きな場所に画像を配置したい場合は、「四角」や「前面」の配置形式を指定する必要がある。「前面」の配置方法は、画像を移動しても文字の配置に影響を与えないのが利点となる。ただし、画像の背後に文字が隠れてしまわないように注意する必要がある。

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そのほか、Wordには画像の位置を数値で指定する方法も用意されている。これについては次回の連載で詳しく操作方法を解説する。また、画像が属する段落を示すアンカーについても学んでおくと、より深く画像の配置を理解できるようになる。こちらも次回あわせて紹介しよう。