【連載】

Wordはなぜ思い通りにならないのか?

33 変更履歴の活用

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Wordには、文書に加えた変更を記録しておく機能も用意されている。複数の人が文書を校正していく場合などに利用されるケースもあるので、必ず使い方を覚えておこう。

変更履歴の記録

ビジネスで使用する文書を、社内や取引先にメール送信して内容を確認してもらう場合もあるだろう。このような場合によく利用されるのが「変更履歴の記録」である。送信したWord文書を直に修正してもらう方法も考えられるが、この場合は「どこを修正されたのか?」を一目で確認できないため、思わぬトラブルに発展する恐れがある。

そこで、変更箇所を明確にできる「変更履歴の記録」の使い方を覚えておくとよい。この機能を自分で利用する予定がなくても、取引先から届いたWord文書に「変更履歴の記録」が指定されている可能性もある。こういったWord文書にもスムーズに対応できるように操作方法を覚えておこう。

まずは変更履歴を記録する方法から紹介する。文書の変更履歴を記録するときは、「校閲」タブで「変更履歴の記録」→「変更履歴の記録」を選択する。

変更履歴の記録

この状態でファイルを上書き保存すると、変更箇所を一目で確認できるWord文書を作成できる。社内や取引先でWord文書を回覧するときは「変更履歴の記録」を有効にしてからWord文書を送信するとよいだろう。

それでは「変更履歴の記録」を有効にした文書がどのような挙動をするのか、具体的に見ていこう。まずは文字を修正した場合。この場合は、もとの文字に取り消し線が描画され、その右に修正後の文字が表示される。

この文字を修正すると…、

このような表示になる

文字の削除を行った場合も同様で、(見た目上の)文字の消去は行われず、その文字に取り消し線だけが描画される結果となる。

「に関する」の文字を削除した場合

さらに、文書の特定の箇所に対してコメントを記述することも可能だ。この場合は、その文字をドラッグして選択し、「校閲」タブにある「コメントの挿入」をクリックする。

コメントの追加

すると文書の右側にコメント欄が表示され、その箇所に対するコメントを自由に入力できるようになる。ここにはコメントを入力した人のユーザー名も表示される仕組みになっている(※コメント機能は「変更履歴の記録」を有効にしなくても利用できる)。

追加したコメントの表示

このように「変更履歴の記録」を有効にした文書では、もとの文字を残したまま文書を修正していくことが可能となる。「変更履歴の記録」が指定された文書が送信されてきたときに、『Wordが何故か不可解な動作をする…』と悩まないように、あらかじめ挙動を確認しておくとよいだろう。

表示内容の変更

続いては、「変更履歴の記録」を有効にした文書の表示内容について紹介する。「変更履歴の記録」は変更箇所を明確に把握できるのが利点であるが、文章が読みにくくなるという欠点もある。

変更箇所が赤字で表示された文書

このような場合は表示内容を変更すると、文書を読みやすく表示できる。「校閲」タブで「表示内容」に「最終版」を選択すると、変更(赤字)がすべて反映された状態で文書が表示される。また「初版」を選択し、変更(赤字)が加えられる前の状態で文書を表示することも可能だ。

表示内容の指定

「最終版」を選択したときの文書の表示

「最終版:変更箇所/コメントの表示」と「初版:変更箇所/コメントの表示」は、変更箇所やコメントを表示する場合に指定する。ただし、どちらも同じような表示結果になるため、表示内容の違いを確認できないかもかもしれない。

両者の違いは、変更履歴を「吹き出し」として表示した場合に現れる。「変更履歴とコメントの表示」から「吹き出し」→「変更履歴を吹き出しに表示」を選択すると、コメントだけでなく変更箇所も画面右側に表示できるようになる。

変更履歴を「吹き出し」として表示

この状態で「最終版:変更箇所/コメントの表示」を選択すると、変更前の文字が画面右端に「吹き出し」として表示される仕組みになっている。一方「初版:変更箇所/コメントの表示」を選択した場合は、変更後の文字が画面右端に「吹き出し」として表示される。

「最終版:変更箇所/コメントの表示」を選択した場合の表示

変更(赤字)が加えられた文書を閲覧する際に備えて、これらの表示方法も覚えておくとよいだろう。

変更履歴の削除

最後に、変更履歴を削除する方法を紹介しておこう。変更履歴として表示されている文字を通常の文字に戻すには「承諾」という操作を行う必要がある。この操作は、変更履歴として表示されている文字を選択し、「校閲」タブで「承諾」→「変更の承諾」を選択すると実行できる。

変更の承諾

すると、変更が反映され、その箇所が通常の文字として表示されるようになる。このとき「承諾」→「ドキュメント内のすべての変更を反映」を選択し、文書内のすべての変更をまとめて承諾することも可能だ。

逆に、変更を反映せずに、もとの文字に戻す場合は「元に戻す」コマンドを利用する。文書に追加されたコメントを削除する場合は、「削除」コマンドを利用すればよい。

変更履歴を「元に戻す」とコメントの「削除」

以上の操作が済んだら、「校閲」タブで「変更履歴の記録」→「変更履歴の記録」を選択して変更履歴の記録を無効にする。これで、いつもの通常の文書に戻すことができる。

慣れるまでは少々戸惑うかもしれないが、「変更履歴の記録」が利用される場面は意外と多いので、今のうちに覚えておくとよいだろう。

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インデックス

連載目次
第37回 (最終回) なぜWordを思い通りにしたいのか?
第36回 Wordで使用する単位
第35回 アイテムの整列
第34回 段組みとセクション
第33回 変更履歴の活用
第32回 文書の印刷方法を工夫する
第31回 文書に貼り付けた画像の解像度
第30回 Word文書から画像ファイルを抽出
第29回 Word文書をPDF形式に変換する
第28回 文章の自動校正機能で単純な入力ミスをチェック
第27回 文字選択のテクニック
第26回 Officeテンプレートの活用
第25回 テンプレートの作成
第24回 改ページ位置の自動修正
第23回 見出し番号の自動入力
第22回 箇条書きとリストのレベル
第21回 目次の作成
第20回 ナビゲーションウィンドウの活用
第19回 アウトラインレベルの指定
第18回 Excelデータを利用した宛名印刷
第17回 差し込み印刷による年賀状宛名面の印刷
第16回 スタイルの表示を変更する
第15回 スタイルのカスタマイズ
第14回 スタイルの作成
第13回 第13回 文字と段落の書式の応用例-2
第12回 文字と段落の書式の応用例-1
第11回 文字の上下位置を調整する(上付き/下付き文字)
第10回 文字幅と文字間隔の指定
第9回 段落罫線を使いこなす
第8回 ヘッダーとフッター
第7回 タブとリーダーの活用
第6回 インデントとぶら下げ
第5回 箇条書きをマスターする
第4回 行間を自由自在に設定する
第3回 標準の文字サイズと文字数/行数
第2回 Wordにおける「1字」「1行」とは
第1回 画像を好きな場所に配置できない

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