【連載】

Wordはなぜ思い通りにならないのか?

31 文書に貼り付けた画像の解像度

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Wordは、文書に貼り付けた画像の解像度を保存時に自動調整する仕組みになっている。この仕組みをよく把握していないとトラブルに発展する恐れもある。今週は、画像の解像度について紹介しておこう。

解像度の自動調整について

解像度とは、1インチあたりに何個の点(ピクセル)を配置するかを指定したもので、dpi(dot per inch)またはppi(pixcel per inch)といった単位で示される。もちろん、解像度が高いほど滑らかな画質を得ることが可能だ。

今回は、Wordにおける画像解像度の処理方法について紹介しておこう。Word 2007以降のWordには画像の解像度を自動調整する機能が装備されている。このため、文書を保存した際に画像の解像度が自動的に220ppiに変更される仕組みになっている。

具体的な例で示していこう。まずは、Word文書に2,048×1,360ピクセルの画像を貼り付ける。続いて、この画像の横幅が1インチ(25.4mm)になるように画像を縮小し、文書をファイルに保存する。

文書に貼り付けた画像

横幅を1インチに縮小して保存

その後、一度Wordを終了してから再び文書を開き、前回の連載で紹介した方法で画像データを抽出すると…、画像のピクセル数が220×146ピクセルに縮小されているのを確認できる。

Word文書から抽出した画像

このように、文書に貼り付けた画像は、解像度が220ppiになるように自動調整される仕組みになっている。今回の例の場合、画像のサイズを横幅1インチに指定したため、「横幅が220ピクセルの画像データしか保持されない…」という結果になるのである。

画像解像度の自動調整で注意すべき点は…?

一般的なプリンタで印刷する場合であれば、220ppiという解像度は十分な解像度といえる。むしろ、これ以上に大きな解像度を有していてもデータが重くなるだけで、画質の改善はほとんど見受けられない。

ちなみに、Word 2003以前のWordは、元画像のピクセル数をそのまま維持する仕組みになっていたため、文書に何枚も画像を貼り付けると、必要以上に文書ファイルの容量が大きくなってしまう傾向があった。

このような観点から考えると、解像度の自動調整は有意義な改善といえる。しかし、問題がない訳ではない。たとえば、先ほどの文書で再び画像を拡大させると、画面上でも画質の粗さを確認できるほど画質が劣化してしまう。この文書を印刷すると、より画質の粗さを実感することになるだろう。

先ほどの画像を再び拡大した場合

このような結果になる理由は、Wordの文書ファイルに220ppiの画像データしか保持されていないことが原因だ。この画像を拡大すると、その実質的な解像度は220ppi以下になる。拡大率によっては100ppiを切るケースもあるだろう。つまり、キレイな印刷結果は期待できないのである。

要するに、何が言いたいのかというと…、

 (1)文書に画像を貼り付けて縮小する
 (2)文書をファイルに保存してWordを終了する
 (3)再び文書を開き、画像を拡大する

といった手順で編集作業を行うと、画質が劣化してしまう訳である。作成した文書のレイアウトを後から変更する場合などは注意しておく必要がある。こういったトラブルを回避するには、もう一度画像を貼り付け直すか、もしくは以下に説明する方法で初期設定を変更しておく必要がある。

解像度の初期設定を変更するには…?

解像度の自動調整は、Wordのオプションで設定を変更できる。まずは、「ファイル」タブを選択し、「オプション」をクリックする。続いて「詳細設定」を選択すると、既定の解像度を変更することができる。

オプション設定の画面を開く

既定の解像度に関する設定

ここには「220ppi」「150ppi」「96ppi」といった3つの設定値が並んでいるが、初期設定の「220ppi」が最も高い解像度なので、この設定項目では解像度の規定値を増やすことはできない。

既定の解像度の設定

より高解像度のデータを保持させるには、「ファイル内のイメージを圧縮しない」をチェックしておく必要がある。すると、解像度の自動調整が無効になり、元画像のピクセル数がそのまま維持されるようになる。

なお、これらの初期設定は「現在編集中の文書」または「すべての新規文書」のいずれかに対して指定することになる。初期設定を変更する際は、この指定も忘れずに行っておこう。

対象となる文書の指定

画像の拡大/縮小を後から何度もやり直す可能性がある場合は、これらの初期設定を変更してから編集作業を始めるとよい。この場合、文書ファイルの容量は増加してしまうが、画質の劣化を防ぐことができる。その後、文書が完成した時点で「ファイル内のイメージを圧縮しない」のチェックを外し、文書を再保存することで、最適なファイル容量に戻すことも可能だ。些細なポイントではあるが、重大なトラブルに発展するケースもあるので頭の片隅に入れておくとよいだろう。

Word 2007の場合は…?

上記はWord 2010における操作手順であり、Word 2007の場合は「図の圧縮」のオプションで解像度の自動調整の設定を変更する必要がある。ここで「保存時に基本的な圧縮を自動的に行う」のチェックを外すと、解像度の自動調整が無効になり、元画像のピクセル数がそのまま維持されるようになる。

「図の圧縮」の「オプション」ボタン

解像度の自動調整を無効にする設定

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インデックス

連載目次
第37回 (最終回) なぜWordを思い通りにしたいのか?
第36回 Wordで使用する単位
第35回 アイテムの整列
第34回 段組みとセクション
第33回 変更履歴の活用
第32回 文書の印刷方法を工夫する
第31回 文書に貼り付けた画像の解像度
第30回 Word文書から画像ファイルを抽出
第29回 Word文書をPDF形式に変換する
第28回 文章の自動校正機能で単純な入力ミスをチェック
第27回 文字選択のテクニック
第26回 Officeテンプレートの活用
第25回 テンプレートの作成
第24回 改ページ位置の自動修正
第23回 見出し番号の自動入力
第22回 箇条書きとリストのレベル
第21回 目次の作成
第20回 ナビゲーションウィンドウの活用
第19回 アウトラインレベルの指定
第18回 Excelデータを利用した宛名印刷
第17回 差し込み印刷による年賀状宛名面の印刷
第16回 スタイルの表示を変更する
第15回 スタイルのカスタマイズ
第14回 スタイルの作成
第13回 第13回 文字と段落の書式の応用例-2
第12回 文字と段落の書式の応用例-1
第11回 文字の上下位置を調整する(上付き/下付き文字)
第10回 文字幅と文字間隔の指定
第9回 段落罫線を使いこなす
第8回 ヘッダーとフッター
第7回 タブとリーダーの活用
第6回 インデントとぶら下げ
第5回 箇条書きをマスターする
第4回 行間を自由自在に設定する
第3回 標準の文字サイズと文字数/行数
第2回 Wordにおける「1字」「1行」とは
第1回 画像を好きな場所に配置できない

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