テンプレートの作成方法を紹介したついでに、『Office.com』から提供されているテンプレートの利用方法を紹介しておこう。用途に合ったテンプレートを発見できれば文書の作成がかなり楽になる。念のため覚えておくとよいだろう。

Officeテンプレートの利用手順

マイクロソフトの『Office.com』には、誰でも利用できるテンプレートが公開されている。もちろん、このテンプレートをダウンロードして文書を作成することも可能である。必ずしも用途に合うテンプレートを発見できるとは限らないが、手軽に利用できるので、一度試してみるとよいだろう。

では『Office.com』のテンプレートを利用する手順を紹介していこう。まずはWordを起動し、「ファイル」タブにある「新規作成」を選択する。

「新規作成」の選択

すると、以下の画面のような一覧が表示される。ここでは「Office.comテンプレート」の中から最適なカテゴリのアイコンをクリックすればよい。続いてサブカテゴリが表示された場合は、用途に合うサブカテゴリをクリックして選択する。

カテゴリの選択

サブカテゴリの選択

カテゴリの選択が済むとテンプレートの一覧が表示される。右側に選択中のテンプレートのプレビューが表示されるので、これを参考にダウンロードするテンプレートを決定すればよい。

ただし、プレビューの表示サイズが小さいため、テンプレートの詳細を確認できない場合が多い。プレビューをもう少し大きく表示してくれれば無駄な手間を省けるのだが、これは仕様なので仕方がない。気になるテンプレートが見つかったら、とりあえず「ダウンロード」ボタンをクリックしてみるしかないだろう。

テンプレートの選択とダウンロード

たいていの場合、ダウンロードは数秒で完了し、そのテンプレートを基にした新規文書が表示されるはずだ。

テンプレートを基に作成された新規文書

あとは、この文書内にある各項目を書き換えていくだけで文書の作成を完了できる。もしテンプレートに不要な項目があった場合は、それをクリックして選択し、「Delete」キーで削除してしまえばよい。

不要な項目の削除

各項目は、①その部分(フィールド)をクリックして選択し、②キーボードから文字を入力する、という操作手順で入力していくのが一般的だ。

各項目の入力

このように作業を進めていくことで、レイアウトの整った文書を手軽に作成できる場合もある。「用途に近いが少し違う…」というテンプレートしか見つからなかった場合は、各自でカスタマイズしてから利用するとよい。その後、文書をテンプレートとしてパソコンに保存しておけば、次回からはすぐに文書の作成を開始できるようになるはずだ(テンプレートとして保存する手順は前回の連載を参照)。

膨大な数のテンプレートが用意されている訳ではないため無駄足に終わる可能性も否めないが、暇なときに「どんなテンプレートが提供されているか?」を確認しておく価値はあるだろう。

「マイ テンプレート」について

「ファイル」タブの「新規作成」には、「マイ テンプレート」というカテゴリも用意されている。このカテゴリには「自分で作成したテンプレート」が分類されている。ただし、前回の連載で紹介した方法でテンプレートを保存しても、そのテンプレートは「マイ テンプレート」に表示されないので注意すること。

「マイ テンプレート」に表示させるには、テンプレートの保存先に「Templates」フォルダを指定しておく必要がある。Windows 7の場合は、画面左側で「Templates」フォルダを選択してから「保存」ボタンをクリックすればよい。もちろん、「ファイルの種類」を「Wordテンプレート」に変更しておくのも忘れないこと。

「Templates」フォルダを指定してテンプレートを保存

この手順でテンプレートを保存しておくと、「マイ テンプレート」を選択したときに自作のテンプレートが表示されるようになる。なお、ここには「過去に利用したテンプレート」も自動的に分類される仕組みになっている。

「マイ テンプレート」の表示

これらのテンプレートが不要になった場合は、そのアイコンを右クリックして「削除」を選択すればよい。これで、そのテンプレートファイルを「マイ テンプレート」から削除することができる。

テンプレートの削除

参考までに紹介しておくと、「マイ テンプレート」はCドライブ内にある特定のフォルダと連動する仕組みになっている。具体的には、

 「Cドライブ」→「ユーザー」→(ユーザー名) →「AppData」→「Roaming」→「Microsoft」→「Templates」(※)

の位置にある「Templates」フォルダが「マイ テンプレート」と連動するフォルダになる。「マイ テンプレート」の内容を管理する場合などに活用できるので覚えておくとよいだろう。

(※)「AppData」フォルダ以降は隠しフォルダになる。

「Cドライブ」→「ユーザー」→(ユーザー名)→「AppData」→「Roaming」→「Microsoft」→「Templates」

「Normal」のテンプレートについて

「Templates」フォルダには「Normal」という名前のテンプレートファイルも保存されている。このテンプレートは、普通にWordを起動したときに表示される新規文書のテンプレートとなる。Word標準のテンプレートなので、絶対に移動したり削除したりしないこと。取り扱いには十分に注意する必要がある。