章番号などを自動入力するには…?

何十ページにもおよぶ長い文書では、「○章」や「○.○節」のように、見出しの先頭に付ける番号を自動入力するように設定しておくと文書の作成が少しだけ楽になる。今週は、見出し番号をスタイルに関連付けて自動入力する方法を紹介しておこう。

まずは「ホーム」タブにある「アウトライン」の▼をクリックし、「新しいアウトラインの定義」を選択する。すると、以下のような設定画面が表示される。このままの状態ではスタイルに関連付けた設定が行えないので、「オプション」ボタンをクリックして設定画面を拡張しよう。

「新しいアウトラインの定義」の選択

設定画面の拡張

この画面で各レベルに対応させるスタイルや見出し番号の書式を指定していく。最初に「レベルと対応付ける見出しスタイル」で「レベル1」に相当するスタイルを選択する。今回の例では「レベル1」の見出しに「01-章見出し」という自作のスタイルを対応させた。

「レベル1」に対応させるスタイルの指定

続いて、見出し番号の表示方法を指定する。ここでは「第○章」という形式で見出し番号を表示させるので、「番号書式」の項目に「第」と「章」の文字を入力する。この部分の考え方は、「グレーで反転された数字」が「Wordにより自動入力される番号」と考えればよい。この前後に文字を入力することで、見出し番号の表示形式を自由にカスタマイズできる。

番号書式の指定

同様の手順で「レベル2」以降の見出し番号も設定していく。設定画面の左上で「2」のレベルを選び、対応させるスタイルを選択する。今回の例では「レベル2」の見出し番号を「1.1」「1.2」「1.3」…のように番号だけで表示するので、「番号書式」は初期状態のまま変更しなくてもよい。

「レベル2」の見出し番号の設定

「OK」ボタンをクリックして文書の表示に戻ると、「対応付けたスタイル」が適用されている段落に、見出し番号が自動付加されているのを確認できるはずだ。ただし、以下の図のようにカーソルがあった段落(世界遺産の概要)のスタイルまで勝手に変更されてしまう場合もある。このような場合は正しいスタイルを適用しなおす必要がある。

見出し番号を設定した文書(スタイルの適用前)

以上で、見出し番号の基本的な設定は完了となる。スタイルを適用しなおすと、それに応じて「第1章」や「1.1」「1.2」などの見出し番号も自動修正されるのを確認できるはずだ。

見出し番号を設定した文書(スタイルの適用後)

見出し番号の詳細設定

前述した方法で見出し番号を設定した場合、「レベル2」以降の見出しにインデントが指定される仕組みになっている。とはいえ、インデントが不要な場合もあるだろう。このような場合は、もういちど「アウトライン」から「新しいアウトラインの定義」を選択して、設定画面でインデントの設定を変更しておく必要がある。

インデントは「左インデントからの距離」で指定する。この項目を「0mm」に変更すると、インデントなしの状態に戻すことができる。なお、この項目の左下にある「インデント位置」は、「見出し番号」と「見出し文字」の間隔を調整するための項目となる。間隔が広すぎる場合などは、この数値を適当な値に変更しておくとよい。

インデントの指定

そのほか、自動入力される番号を漢数字に変更したり、フォントを指定したりすることも可能となっている。

番号の種類の指定

以下の図は、「レベル2」の見出し番号の「左インデントからの距離」を0mm、「インデント位置」を10mmに変更した場合の例である。このように、見出し番号の書式を細かく指定していくことも可能である。

見出し番号のインデントを調整した文書

見出し番号の設定は必要か…?

さて、今回は見出し番号をWordに自動入力させる方法を紹介したが、果たしてこの機能は本当に必要であろうか? 「第1章」や「1.1」などの文字入力を省略できるので便利な機能であることに違いはないが、これを自分の手で入力したとしても大した手間ではない。よって、絶対に利用しなければならない機能とは言い難い。

見出し番号の自動入力が便利に活用できるのは、ナビゲーション ウィンドウなどを使って文書の構成を頻繁に変更する場合だ。この場合、見出し番号も自動修正されるため、番号の付け間違いなどのミスをなくすことができる。

ナビゲーション ウィンドウで見出しを上下にドラッグすると…、

文書の構成を手軽に変更でき、見出し番号も自動的に修正される

ただし、目次は自動的に更新されないので注意すること。目次を更新するには、「参考資料」タブにある「目次の更新」をクリックする必要がある。

このように、文書の構成を練り直すときには、見出し番号の自動入力が大変便利に機能する。一方、文書の構成を入れ替える機会がほとんどない場合は、この機能は“ほんの数文字”の文字入力を簡略化してくれる機能にしかならない。むしろ、設定の仕組みをよく理解できていない方にとってはトラブルの原因となるケースの方が多いだろう。よって、自分の手で「第1章」や「1.1」などの番号を入力した方が効率的と考えられる。各自のスキルと相談しながら、状況に応じて使い分けていくのが賢い使い方といえるだろう。