【連載】

Wordはなぜ思い通りにならないのか?

6 インデントとぶら下げ

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Wordには、『あまり利用されていないが上手に使えばとっても便利』という機能がいくつか存在する。その代表例といえるのが「インデント」と「ぶら下げ」だ。今回は、文章の左右に余白を設ける「インデント」、ならびに1行目だけを左に飛び出させて配置する「ぶら下げ」について紹介してみよう。

インデントとは?

文章の左側に余白を設けるとき、「スペース」で余白を調整している方をよく見かける。このような方法で文字をレイアウトしても問題はないが、この方法が利用できるのは「1行しかない段落」に限定されてしまう。

たとえば、以下の図のように2行以上の段落で左側に余白を設けるには、インデントを指定しなければならない。

インデントを指定したレイアウト

インデントは、文章の左側に「指定したサイズの余白」を設ける書式である。手軽に指定したいときは「ホーム」タブにある「インデントを増やす」アイコンをクリックすればよい。この場合、1回クリックするごとに1字分の余白が左側に追加されていく。

「ホーム」タブにある「インデントを増やす」(右)と「インデントを減らす」(左)のアイコン

ただし、ここでいう「1字」とは「標準の文字サイズ」(字送り)のことであり、編集している段落の文字サイズではない点に注意すること。初期設定の場合、「1字」=10.5ptに設定されているので、「インデントを増やす」をクリックするごとに10.5ptずつ余白が追加されていくことになる。

追加した余白を解除するときは、「インデントを減らす」をクリックすればよい。こちらは、1回クリックするごとに1字分ずつ余白を小さくするコマンドとなる。

もっと細かくインデントを指定したい場合は「段落」ダイアログを利用する。こちらは余白のサイズを数値で指定することが可能だ。「2字」のように「標準の文字サイズ」(字送り)を基準にサイズを指定してもよいし、「5mm」のように単位付きの数値で余白のサイズを指定しても構わない。

「段落」ダイアログに用意されているインデントの設定

そのほか、「段落」ダイアログでは右側のインデントを指定することもできる。こちらは、サイズが小さい文字の配置を調整する場合などに活用できる。以下の例の場合、脚注部分の文字サイズが小さく、1行あたりの文字数が多くなってしまうため、そのままでは読みにくいレイアウトになる。そこで右側に適当なサイズ(25mm)のインデントを設けることにより、1行あたりの文字数を減らしている。

右側に「25mm」のインデントを指定した脚注

ぶら下げとは?

続いて、「ぶら下げ」について紹介していこう。「ぶら下げ」とは、段落の1行目だけを左側に飛び出させて文章を配置する書式である。たとえば、「3字」の「ぶら下げ」を指定した段落は、以下の図のように文字が配置される。

「3字」の「ぶら下げ」を指定した場合

「ぶら下げ」の書式も「段落」ダイアログで指定する。具体的には、「最初の行」の項目で「ぶら下げ」を選択し、その右側にある「幅」でサイズを指定すればよい。

「ぶら下げ」の指定

なお、ここで指定する「1字」は「標準の文字サイズ」(字送り)ではなく、現在編集している段落の「最初の文字」の文字サイズとなることに注意しよう。このように、Wordでは書式ごとに「1字」の概念が異なる場合があり、非常に紛らわしい。これも『Wordはわかりづらい……』といわれる一因といえるだろう。

「ぶら下げ」は、箇条書きの書式を指定しないで、2行以上にわたる文章を箇条書きのように示す場合などによく利用される。たとえば、以下の図は「1字」の「ぶら下げ」を指定した場合の例である(箇条書きの書式は指定していない)。

「1字」の「ぶら下げ」を指定した場合

逆に考えると、箇条書きの書式は「ぶら下げ」と「行頭文字」を同時に指定する書式である、といえるだろう。

インデントとぶら下げの応用

「インデント」と「ぶら下げ」を組み合わせることにより、様々な文字のレイアウトを実現することも可能だ。たとえば、先ほどの例にさらに「5mm」の左インデントを指定すると、以下のようなレイアウトになる。

「段落」ダイアログの設定

左インデント「5mm」、ぶら下げ「1字」を指定した場合

また、見出しを本文の左側に飛び出させてレイアウトする場合にも「ぶら下げ」が活用できる。たとえば、以下の例では「6字」のぶら下げと、「2字」の左インデントを指定している。

左インデント「2字」、ぶら下げ「6字」を指定した場合

この状態で見出しの後ろにタブを挿入すると、以下の図のように文字を配置できる。タブは「Tab」キーを押すと入力できる。たとえば、「文化遺産人工的に……」の段落の場合、「文化遺産」の後ろにカーソルを移動して「Tab」キーを押すと、以下の図のようなレイアウトになる。

「Tab」キーを入力して文字を整列させた場合

このように「ぶら下げ」を指定した段落では、タブを入力することにより以降の文字を揃えて配置できるようになる。いろいろと応用できるので覚えておくとよいだろう。

字下げ
「段落」ダイアログにある「最初の行」の項目には、「字下げ」という選択肢も用意されている。こちらは「ぶら下げ」と逆の動作を行うもので、段落の1行目だけを右側に凹ませて配置するための書式となる。

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インデックス

連載目次
第37回 (最終回) なぜWordを思い通りにしたいのか?
第36回 Wordで使用する単位
第35回 アイテムの整列
第34回 段組みとセクション
第33回 変更履歴の活用
第32回 文書の印刷方法を工夫する
第31回 文書に貼り付けた画像の解像度
第30回 Word文書から画像ファイルを抽出
第29回 Word文書をPDF形式に変換する
第28回 文章の自動校正機能で単純な入力ミスをチェック
第27回 文字選択のテクニック
第26回 Officeテンプレートの活用
第25回 テンプレートの作成
第24回 改ページ位置の自動修正
第23回 見出し番号の自動入力
第22回 箇条書きとリストのレベル
第21回 目次の作成
第20回 ナビゲーションウィンドウの活用
第19回 アウトラインレベルの指定
第18回 Excelデータを利用した宛名印刷
第17回 差し込み印刷による年賀状宛名面の印刷
第16回 スタイルの表示を変更する
第15回 スタイルのカスタマイズ
第14回 スタイルの作成
第13回 第13回 文字と段落の書式の応用例-2
第12回 文字と段落の書式の応用例-1
第11回 文字の上下位置を調整する(上付き/下付き文字)
第10回 文字幅と文字間隔の指定
第9回 段落罫線を使いこなす
第8回 ヘッダーとフッター
第7回 タブとリーダーの活用
第6回 インデントとぶら下げ
第5回 箇条書きをマスターする
第4回 行間を自由自在に設定する
第3回 標準の文字サイズと文字数/行数
第2回 Wordにおける「1字」「1行」とは
第1回 画像を好きな場所に配置できない

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